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業務改善にも役立つ「デザイン思考」とは? デザイン思考を組織に定着させるおすすめの方法も解説

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この記事ではデザイン思考に関する情報をご紹介していきます。

体験を通してデザイン思考の概要を学べる研修はこちら(https://www.linpress.co.jp/seminar/design_thinking)

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皆さん、こんにちは。リンプレスの石津です。
当社の研修事業の一環として、お客様にデザイン思考を知ってもらい、価値発見・解決の能力を個人・組織として身につけるきっかけづくりに取り組んでおります。


デザイン思考は、企業において新商品開発や事業構想段階で使われることが多く、ハードルの高いものと捉えられがちです。

この記事では私の経験を踏まえて、デザイン思考は日々の業務改善にも役立てることができる身近なものであることをお伝えしたいと思います。

目次[非表示]

  1. 1.デザイン思考とは
  2. 2.デザイン思考研修参加者の声、やはりデザイン思考はハードルが高いのか?
  3. 3.デザイン思考を組織的に活用する場合はスモールスタートがおすすめ
  4. 4.スモールスタートを成功させるためのテーマ設定のコツ
  5. 5.まとめ


デザイン思考とは

デザイン思考とは、「デザイナーの思考や作業要領をプロセスとして一般化したもの」と捉えられています。

企業の目線で説明すると「イノベーションを起こすため、ビジネスパーソンもデザイナーのように革新的なアイデアを導けるようにしたもの」と言えます。

諸説ありますが、世界的に最も有名なスタンフォード大学d.schoolに倣うと、下の図のようなプロセスで定義されています。



Empathize(共感):対象者を観察したり、インタビューをしたりして、真相を探る

Define(問題定義):共感したことを分析・統合し、対象者の真のニーズを見つけ、問題を定義する

Ideate(アイデア):定義された問題に対し自由に意見を出し合い、具体的にどう解決するかを考える

Prototype(プロトタイプ):試作品を作ってアイデアを具現化し、効果や機能性、実現性について検討する

Test(テスト):プロトタイプを用い対象者に体験してみてもらい、検証し、改善点を探る


従来の思考法と比べて特徴的なのは、Empathize(共感)です。従来型の思考法では、新商品・新サービスあるいは新事業を構想しようとしたときに、マーケットリサーチや研究開発をする等、経済性や技術的な実現可能性を探る試みから始めていました。

一方でデザイン思考は、ある「お題」(テーマ)を元に、対象となる人物像(ペルソナと呼ぶ)や対象となる場面(フィールド)を特定し、その人固有の価値観や指向性に沿う物事や、その場面特有の問題を探ることから始めます。

大衆に受けることを狙うよりも、まずニッチな個の潜在要求を満たす有用性を目指すのです。ここに、デザイン思考が今までに無い商品やサービスを生み出す可能性、要素があるのです。


デザイン思考研修参加者の声、やはりデザイン思考はハードルが高いのか?

デザイン思考研修では、毎回、参加者からアンケートを取っております。

この章では、アンケート結果から、皆様がデザイン思考をどう捉えているのか?の傾向を見ていきましょう。



設問:「デザイン思考は使えそうか?」

よくある回答:

  • 発想が広がり、柔軟なアイデアが出そう
  • 手順を踏むだけではなく、物事の見方として日々の業務や生活に使えそう

傾向:デザイン思考の有効性については、概ねポジティブに捉えていただけます。


設問:「デザイン思考はどのような業務で使えそうか?」

よくある回答:

  • 新事業開発や新事業設計
  • 顧客への提案
  • 既存事業の改善・改革
  • UI(ユーザーインターフェース)の改善
  • 上司とのコミュニケーション

傾向:

「新事業」や「新しいサービス」という意見は多いのですが、人によって、使う分野や規模の認識はまちまちです。デザイン思考は色んな分野で使えそうだという可能性を感じていただけているのではないかと推察します。


設問:「デザイン思考に取り組むにあたり、ハードルは何か?」

よくある回答:

  • ワークショップをやる際のテーマ設定が難しい
  • 周りにデザイン思考を理解している人が必要
  • 上司の理解
  • 顧客の理解
  • 取り組むにあたり、予算や期間、効果をどう会社に説明するか

傾向:

個人として取り組むには比較的ハードルを感じていない方が多いようですが、企業や組織としてデザイン思考に取り組むには、周りの理解が必要でハードルが高いと感じている方が多いように見受けられます。中には「わが社は古い体質で頭が固いから無理」と匙を投げる方もいらっしゃいます。


デザイン思考を組織的に活用する場合はスモールスタートがおすすめ

上記の傾向から、私がデザイン思考の組織的活用をアドバイスする際は、スモールスタートを推奨しております。

規模の小さなテーマから着手し、予算や期間、人数をあまりかけずにデザイン思考プロセスによるビジネスアイデア創出を経験し、成功事例を作ることに注力してはどうか?成功事例があれば、周囲の方々からの理解も得やすくなろうということです。

では、スモールスタートをするためにはどうすれば良いのか?その点を次章に述べます。

スモールスタートを成功させるためのテーマ設定のコツ

なるべく予算や期間や人数が少なくなるように、デザイン思考プロセスを回すには、テーマの規模を小さくすれば良いのです。

例えば、下の図のようにB to Bのビジネスを展開する会社が、一般の消費者向けに新しい商品やサービスを創ろうとテーマを設定したとします。自社は日々の業務においてはお客様(企業)のことしか見ていないので、お客様の先にいるお客様企業や消費者のことは理解し難く、共感しづらい傾向にあります。
遠いところにテーマ設定し、デザイン思考で良いビジネスアイデアを創出しようとすると、多くの組織や人を巻き込まなければならなくなり、規模が大きくなりがちです。



スモールスタートを成功させたいのであれば、自社から近いお客様を対象者に設定し、自社からお客様へどんな新しい商品やサービスを展開できるか?という小さいテーマにすれば良いのです。その際、お客様といっても漠然とお客様企業や部門といった設定ではなく、「お客様のあの担当者」と人物を特定した方が、よりデザイン思考の考え方に添います。


上記の例では、自社(企業)から消費者への距離を例に取りましたが、同じことを自分から社会への距離についても言及できます。(下の図)

デザイン思考に取り組むテーマを、「環境問題」や「少子高齢化」といった大きな社会課題に設定すると規模は大きくなりがちです。企業において新規事業に取り組もうとする場合、よくあるのは経営層から「社会課題に取り組むべし」「どうせならインパクトのある大きなテーマでやれ」という一声で始まります。それを推進する担当者の中には何から手を付けるべきか悩む方がいらっしゃいます。



この図の例でもやはり、テーマや対象者を自分から遠い社会に向けるよりも、まずは身近な自社の業務に目を向け、自社の業務改善をテーマに取り組む方が規模が小さく、スモールスタートが成功する確率が高まります。

  • 働き方改革が求められている
  • コロナの影響で事業が立ち行かない
  • 長年不採算な部門・事業がある、これを何とかしなければ
  • あるレイヤーの社員はモチベーションが落ちている

など、業務改善の余地がありそうなテーマは、企業には沢山ありそうです。

まとめ

従来の思考は企業視点、商品(サービス)視点が強いのに対し、デザイン思考は「生活者の視点」を大切にする考え方でもあります。今までにない、新たなビジネスアイデアを導くのに、デザイン思考は有効な手段だと考えられますが、これからデザイン思考に取り組むのであれば、まずは自社の業務改善をテーマとし、生活者=社員を対象にスモールスタートを切ってはいかがでしょうか。

小さな成功事例を作ることによって、「デザイン思考っていいね!」と言っていただける仲間を増やすことから始めることをお勧めします。


デザイン思考ワークショップの詳細を見る>


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この記事ではデザイン思考に関する情報をご紹介していきます。

体験を通してデザイン思考の概要を学べる研修はこちら(https://www.linpress.co.jp/seminar/design_thinking)

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石津 隆
石津 隆

株式会社リンプレス イノベーション事業部 エグゼクティブパフォーマー 「LIFOプログラムライセンシー」「HCD-Net認定 人間中心設計専門家」