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DX推進とは?効果的な方法・指標について詳しく解説

DX推進は、企業が急速に変化する市場環境に対応し、競争力を維持・向上させるための戦略的働きであり、多くの事業者が注力しています。DX推進は単なるデジタル化を超え、業務プロセスやビジネスモデルの根本的な再構築を目指します。

本記事では、DX推進の意義や具体的な実施方法、直面しやすい課題とその解決策、さらには補助金や資格の活用、効果的な人材育成について、実践的な視点から詳しく解説します。

DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください

リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。

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目次[非表示]

  1. DX推進を自社で行うには?
    1. DXとデジタル化の違い
    2. DX推進の指標となるガイドライン
  2. DX推進の重要性
    1. 2025年の崖
    2. 2027年のRPAサポート期間終了
    3. 労働人口の減少
  3. 企業のDX推進を阻むよくある課題
    1. DXを推進する人材の不足
    2. レガシーシステムの問題
    3. 経営層との意識の乖離
  4. DX推進を実施する方法
    1. DX推進計画の策定
      1. DX推進計画に役立つスキルマップ
    2. DX推進の実行と評価
    3. DX文化の定着
  5. DX推進に関するよくある質問
    1. DX推進に使える補助金はある?
    2. DX推進に役立つ資格はある?
    3. DX推進人材はどうやって育成する?
  6. DX人材の育成にはリンプレス
  7. リンプレスのDX研修を実際に導入した事例
    1. 株式会社八十二銀行
    2. 東洋船舶株式会社
  8. まとめ

DX推進を自社で行うには?

DX推進を自社で実現するためには、まず現状の業務プロセスやシステムの課題を洗い出し、改善すべきポイントを明確にすることが不可欠です。経営層と現場の意見を融合し、共通のビジョンを策定することで、全社的な取り組みが促進されます。

また、最新のデジタル技術の導入や外部パートナーとの連携を積極的に進め、従業員への教育や意識改革を図ることで、段階的かつ持続可能な変革を実現することが求められます。​​​​​​​


DXとデジタル化の違い

DX化と似ている用語として「デジタル化」がありますが、両者には大きな違いがあります。

デジタル化は、従来のアナログ情報やプロセスを電子化する作業に留まり、業務効率化やコスト削減を目的としています。一方、DX化は単なるデータ変換にとどまらず、デジタル技術を活用してビジネスモデルそのものを革新し、新たな価値創出を目指す取り組みです。組織文化や顧客体験の向上にも焦点を当て、全社的な変革を促す点が大きな特徴と言えるでしょう。

DXとデジタル化の違いについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
『DXとデジタル化の違いとは? 3つの視点でわかりやすく解説』


DX推進の指標となるガイドライン

DX推進の成果を客観的に評価するためには、定量的・定性的な指標の設定が必要です。

業務効率の改善、生産性の向上、顧客満足度、売上や利益の変化、さらには新規事業の創出などが主な評価基準となります。これらの指標は、国や業界団体が示すガイドラインを参考にしながら、各企業の戦略に合わせてカスタマイズすることが望ましいです。詳しくは以下のガイドラインをご確認ください。

参考:DX推進指標とそのガイダンス 経済産業省


DX推進の重要性

DX推進は、デジタル技術を活用して業務効率と生産性を向上させ、市場環境の急激な変化に柔軟に対応するための重要な取り組みです。従来のアナログプロセスに依存していると、競争力の低下や技術革新への追随が難しくなり、将来的な経営リスクが高まります。多くの企業がDX推進を重要視している理由として、以下の3つが挙げられます。

●  2025年の崖
●  2027年のRPAサポート期間終了
●  労働人口の減少

それぞれ、詳しくみていきましょう。


2025年の崖

急速な技術革新が進む中、DX推進をせずに従来の業務プロセスに固執する企業は、2025年を境に大幅に競争力が低下するという予測が発表されています。このことを「2025年の崖」と言います。

崖に直面する理由は、古いシステムや非効率なプロセスが市場環境の変化に追いつけず、顧客ニーズに柔軟に対応できなくなるためです。こうした状況を回避するには、経営戦略にDX推進を組み込み、早期から業務改革やシステム刷新を実施することが不可欠です。


2027年のRPAサポート期間終了

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は多くの企業で業務自動化に活用されてきましたが、主要ベンダーによるサポートが2027年に終了する見通しです。この節目を前に、企業は現行のRPAシステムへの依存度を見直し、最新の自動化技術やAIとの融合を模索する必要があり、DX推進が急がれています。

計画的なシステム移行と業務プロセスの再設計により、持続的な業務効率の向上を図る取り組みが求められます。


労働人口の減少

少子高齢化の進行に伴い、労働人口の減少は日本のみならず先進国全体の大きな課題となっています。

限られた人材で業務を遂行する必要がある中、従来の働き方では生産性の維持が困難になる恐れがあります。DX推進は、デジタル技術を活用した業務自動化や効率化により、少ない労働力でも高い生産性を実現するための重要な手段として注目されています。


企業のDX推進を阻むよくある課題

企業がDX推進を進める際、現状の業務環境やシステムに根ざした、以下のような課題が浮き彫りになるケースが多いです。

●  DXを推進する人材の不足
●  レガシーシステムの問題
●  経営層との意識の乖離

DXに向けた現状分析をする際は、これらの課題が自社でも発生する可能性がないか確認しておきましょう。


DXを推進する人材の不足

DX推進においては、最新技術の知識やデジタル戦略に精通した人材の存在が鍵となります。

しかし、多くの企業では専門スキルを持つ人材が不足しており、技術の変革に伴う新たな業務モデルの構築が滞りがちです。社内での人材育成プログラムの整備や、外部からの専門家の採用、さらにはパートナー企業との連携を通じ、必要なスキルセットを補完する取り組みが急務です。これにより、DX推進を円滑に進める基盤を構築し、持続的な成長を目指すことが可能となります。

日本国内におけるDX人材不足の現場については、以下の記事で詳しく紹介しています。
『DX人材不足の現状と課題|DX成功のための人材育成方法とは?』



レガシーシステムの問題

長年にわたり使用されてきたレガシーシステムは、現代の急速な技術革新に対応する上で大きな障壁となっています。

これらのシステムは保守性や拡張性に欠け、デジタル化の波に乗るための柔軟性が不足しているケースが多いです。最新のクラウド技術やAIツールと統合することで業務効率化を図るには、現行システムの見直しや段階的な刷新が必要です。計画的なシステム移行と、業務プロセスの再構築を進めることで、将来的な競争力の維持につなげることが求められます。


経営層との意識の乖離

DX推進の成功には、経営層と現場の双方が共通のビジョンを持ち、連携して取り組むことが不可欠です。しかし実際には、経営層が掲げる戦略と現場での日々の業務実態との間に認識のズレが生じ、計画が後手に回ることが多々見受けられます。

こうした乖離を解消するためには、定期的な情報共有の場を設け、戦略の意図や進捗状況を透明に伝えることが必要です。両者のコミュニケーションを強化し、共通理解を深めることで、組織全体での一体感と迅速な対応力を実現することが期待されます。



DX推進を実施する方法

DX推進の実現には、現状分析から戦略策定、実行、評価まで一貫したプロセスが不可欠です。
実際にDX推進を実施する方法を、以下の3つのフェーズに分けて紹介します。

●  DX推進計画の策定
●  DX推進の実行と評価
●  DX文化の定着

それぞれ、詳しくみていきましょう。


DX推進計画の策定

DX推進計画の策定は、企業の現状を正確に把握し、未来のビジョンに沿った戦略を描くことから始まります。現状の業務プロセスやIT環境の課題を抽出し、必要な改善策を明確化します。次に、導入するデジタル技術や人材育成、予算配分など具体的な施策を盛り込み、実行スケジュールを設定します。

各部門間の連携を強化し、計画の進捗を定量的・定性的に評価できる仕組みを導入することが、成功のポイントとなります。

DX推進計画については、以下の記事で詳しく紹介しています。
『DX推進計画を策定する手順とポイントを徹底解説』


DX推進計画に役立つスキルマップ

DX推進計画を策定するには、各従業員の技術力や知識を可視化するスキルマップが大いに役立ちます。スキルマップを活用することで、各担当者が持つ専門性や不足しているスキルを把握でき、組織全体の強化ポイントが明確になります。これにより、必要な研修や外部人材の採用、チーム編成の最適化が図られ、計画実行のための基盤が整います。

スキルマップで現状を可視化することは、各部門間でのスキルの共有と連携を促進する仕組み作りにも効果的です。

スキルマップの作成方法や活用のポイントについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
『DX人材の育成に役立つ「スキルマップ」とは?各領域ごとの具体例を紹介』


DX推進の実行と評価

策定したDX推進計画を実行に移す際は、具体的なプロジェクト単位で施策を段階的に展開することが求められます。実行フェーズでは、定量的なKPIや定性的なフィードバックを用い、効果測定を継続的に実施します。PDCAサイクルを組み込み、計画と実績のギャップを迅速に把握し、必要な改善策を講じることで、プロジェクトの成果を最大化できるでしょう。

現場の意見を反映しながら柔軟に対応することで、DX推進の成功に近づける環境が整います。


DX文化の定着

DX文化を定着させるには、技術導入だけでなく組織全体にデジタル変革の価値観を根付かせることが不可欠です。

従業員が新たな技術や業務手法に積極的に取り組むためには、定期的な研修やワークショップを通じた知識の共有が効果的です。また、成功事例の社内展開や、挑戦を奨励する評価制度を導入することで、失敗を恐れずにイノベーションに挑戦する風土を醸成します。こうした取り組みが、長期的なDX推進と持続可能な成長に寄与します。


DX人材を育成する研修は、プロによるサポートを受けることでより高い成果が見込めます。
累計4,000社以上の支援実績を持つ「リンプレス」によるDX推進人材育成プログラム一覧は、以下のリンクからご覧いただけます。御社の課題に合わせて、最適なカリキュラムをご提案いたします。
リンプレス DX推進人材育成プログラム


DX推進に関するよくある質問

DX推進にあたって、よくある質問として以下が挙げられます。

●  DX推進に使える補助金はある?
●  DX推進に役立つ資格はある?
●  DX推進人材はどうやって育成する?

それぞれの質問に回答します


DX推進に使える補助金はある?

中小企業向けのIT導入補助金や人材開発支援助成金(旧:キャリア形成促進助成金)などがDX推進に使えます。

上記以外にも国や自治体、業界団体などが提供する補助金や助成金制度を活用することで、DX推進に必要な人材育成費やシステム導入費用の負担を軽減できます。

なお、制度内容は随時変更されるため、最新情報は各公的機関の公式サイトで確認することが重要です。

DX人材の育成に使える助成金・補助金は以下の記事で詳しく紹介しています。
『DX人材育成に活用できる助成金・補助金とは?一覧で紹介』


DX推進に役立つ資格はある?

DX推進に関連する資格として、デジタル戦略検定やDX推進プロフェッショナル、プロジェクトマネジメント関連資格など、幅広い分野でスキルを証明できるものが存在します。

これらの資格は、個人のキャリアアップはもちろん、企業内でのDX推進プロジェクトにおける信頼性向上にも寄与します。さらに、資格取得を通じて最新のデジタル技術や戦略の知識を習得することで、組織全体のデジタル意識の向上を図る効果も期待されます。


DX推進人材はどうやって育成する?

DX推進人材の育成は、企業の持続的成長に直結する重要な課題です。
まず、現状のスキルや知識のギャップを明確にし、専門研修、OJT、外部セミナーなどを通じた多角的な教育プログラムを整備します。さらに、実際のプロジェクトに参画させることで実践的な経験を積ませ、成功事例のフィードバックを行うことが効果的です。内部育成と外部採用のバランスを見極め、継続的なスキルアップ支援体制を構築することが、DX推進人材の確保と定着につながります。


DX人材の育成にはリンプレス

リンプレスは、企業のDX推進を支援する専門的な研修プログラムを提供しています。

リンプレスの研修は、業界や企業の特性に応じたカスタマイズが可能で、基礎的なDX・ITリテラシーの向上から、専門的なスキルの習得まで幅広く対応しています。

特に、アイデアを創出する上流工程において、論理的な思考に基づいて企画を立案する力を身につける研修に強みがあります。基礎的なDXリテラシーだけではなく、「DXを推進するリーダー人材を育成したい」「社内のシステム開発における企画立案力を伸ばしたい」といったニーズにもお応えいたします。

ご相談・お問い合わせ


リンプレスのDX研修を実際に導入した事例

ここからは、リンプレスのDX研修を実際に導入した2社の事例を紹介します。

株式会社八十二銀行

株式会社八十二銀行では、自社内にシステム開発部門があり、新しいシステムを作る際は事業部門と開発部門がともに開発を行っています。しかし近年、どちらの部門も多忙となり、意思疎通がうまくいかず手戻りが発生するという課題が発生していました。この原因の一つに、元々の目的の設定と、経営的な視点で論理立てて工程を組み立てることができていない上流工程に問題があるのではないかと考えます。そこで、論理的に課題を整理しながら、企画を進めるフレームワークに沿って学べるリンプレスのIT企画研修を導入いただきました。

結果として、受講者の8割が研修の内容に満足し、9割以上の受講者が実際の業務に役立つと回答していただいたという、大変満足度の高い研修が実施できました。

こちらの事例について詳しくは、以下のリンクからご覧いただけます。
株式会社八十二銀行様の事例 事業部門自らデジタル・IT化を企画し、スピード感のあるDXの実現へ


東洋船舶株式会社

東洋船舶株式会社は、船舶関連ビジネスのソリューションプロバイダーとして、国内トップクラスの用船仲介サービスなど多面的な事業を展開しています。同社は、会社規模や事業拡大に伴い、情報システム部門の負担増加と迅速な対応の難しさという課題に直面していました。

この課題を解決するため、2024年3月にリンプレスの「企画研修」および「プロジェクトマネジメント研修」を導入します。リンプレスの研修により、現場部門の社員が自ら業務プロセスを理解し、課題を抽出・解決するスキルを習得できました。結果として、社員の意識改革が進み、業務改革の推進力が向上しました。


こちらの事例について詳しくは、以下のリンクからご覧いただけます。
東洋船舶株式会社様の事例 「全社員IT武装化」実現に向けた取り組みに迫る


まとめ

自社でのDX推進は、現状分析から計画策定、実行・評価、そして文化定着まで一連のプロセスを経ることが不可欠です。2025年の崖、2027年のRPAサポート終了、労働人口減少などの課題に対応するには、レガシーシステム刷新や人材育成、経営層との連携が鍵となります。

DX推進は、計画の策定から実行と評価までステップに沿って進め、企業におけるDX文化の定着を目指しましょう。企業のDX推進には、外部サービスによるサポートを受けることも効果的です。DX人材の育成・DXの内製化支援は、リンプレスにお任せください。

<文/文園 香織>

株式会社リンプレス
株式会社リンプレス
2017年に株式会社リンクレアのコンサルティング事業、教育事業を分社化して誕生。企業向けDX人材育成研修やITコンサルティング、内製化支援などを手掛ける。DX推進に必要なIT・システム企画力、プロジェクトマネジメント・リーダーシップ、デザイン思考、データ分析など、様々なラインナップを提供する。講義だけではなく、ワークショップやハンズオン演習を取り入れた実践型研修に強みを持つ。これまでの累計支援企業数は4,000社以上、累計受講者数は15,000名以上に及ぶ。

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