catch-img

DXプロジェクトにおけるリスクマネジメントの重要性

こんにちは。リンプレスの川上です。
プロジェクト活動を行ううえでプロジェクトマネジメントが必要であることはご存じだと思いますが、「リスクマネジメント」は実施されていますか。

今回はプロジェクトマネジメントで重要な、それでいて忘れがちな「リスクマネジメント」に関してご紹介していきます。

===

リンプレスのリスク管理表テンプレート(Excel形式)はこちら

リスク管理表テンプレート(Excel形式)をダウンロードする

===

DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。

リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。

リンプレスのサービス紹介資料ダウンロードはこちらから

目次[非表示]

  1. DXにおけるリスクマネジメントの重要性
  2. リスクマネジメントとは?トラブルの例で紹介
    1. 例1の原因を分析
    2. 例2の原因を分析
  3. リスクマネジメントの実施手順
    1. リスクマネジメントの計画
    2. リスクの特定
    3. リスクの分析
    4. リスク対応の計画
    5. リスク対応策の実施、リスクの監視
  4. リスク管理に役立つテンプレート
  5. プロジェクトマネジメント研修には「リンプレス」
    1. プロジェクトリーダー基礎研修「PL教室」
  6. まとめ


DXにおけるリスクマネジメントの重要性

何故、DX推進においてリスクマネジメントが必要なのでしょうか。
「転ばぬ先の杖」や「備えあれば憂いなし」と言えばイメージしやすいでしょう。

我々が向き合っているプロジェクトにはトラブルがつきものです。
「品質が悪い」「予算オーバー(費用超過)」「納期遅延」などよくお聞きします。

理由はどうあれプロジェクト成功とはいえない状況に陥る可能性が高いのがプロジェクトなのだと感じます。

このようなトラブルになることを未然に防ぐ手立てをマネジメントすることが「リスクマネジメント」ということです。


リスクマネジメントとは?トラブルの例で紹介

リスクマネジメントで回避すべき、トラブルの例を2つ挙げてみましょう。

例1.

「設計工程は問題なく終えることができたが、製造工程で思うような生産性が出ない。結果としてスケジュールを圧迫し納期遅延。想定外の期間を要したことで予算オーバー」



例2.

「設計工程、製造工程はなんとかスケジュール通りに推進できたが、結合テスト工程で初歩的な不具合が頻発し、品質を確保するための不具合修正で期間と費用がオーバーしてしまった。」

何故このようなことが起きたのでしょうか。以下から、それぞれの原因を紹介していきます。


例1の原因を分析

例1に関して考察してみましょう。考えられる理由はいくつかあります。

  • 製造担当のスキル不足
  • 使用した開発技術(開発言語など)が未経験
  • 実現する機能の難易度が高かった

このように、様々な要因が負の連鎖となり、予算オーバーというトラブルにつながったと考えられます。


例2の原因を分析

続いて、例2はどうでしょう。こちらは例1とは異なり、開発フェーズまではスムーズでしたが検証フェーズで不具合が発生してしまっています。

  • 単体テストが不十分だった
  • プログラムレビューを実施していない
  • 設計書の表記に曖昧な表現があった
  • ユーザレビューが不十分だった

といった要因が考えられます。


このような事象はよく耳にします。

プロジェクトのおかれている状況により理由は様々ですが、このような事象は防ぐことができないのでしょうか。そんなことはありません。

将来発生するであろう悪い事象をリスクと捉え、そのリスクに対して事前に手を打つことで回避できる可能性が高くなり、結果としてリスク発生を抑えることができます。

ただし、過ぎたことを振り返り原因を探るのは比較的容易ですが、まだ発生していない事象(リスク)に取り組むのは難しいです。


では、どのようにしてリスクマネジメントを行うとよいのでしょうか。


リスクマネジメントの実施手順

PMBOKガイド第6版では、リスクマネジメントの領域で以下7つプロセスが定義されています。

  1. リスクマネジメントの計画
  2. リスクの特定
  3. リスクの定性的分析
  4. リスクの定量的分析
  5. リスク対応の計画
  6. リスク対応策の実施
  7. リスクの監視

今回は、こちらの7つのプロセスを5つの手順にまとめてリスクマネジメントの実施方法を詳しく紹介します。


※PMBOKについてもっと詳しく知りたい方は、こちらのブログも合わせてお読みください。

  PMBOKとは?プロジェクト管理の基礎を学ぼう 株式会社リンプレス


リスクマネジメントの計画

「リスクマネジメントの計画」は、具体的なリスクマネジメントの手法や役割・責任、タイミングなどを計画書として作成します。

リスクマネジメントのタイミングについては、プロジェクト進行中も定期的に実施することが重要です。

リスクはプロジェクト状況や社会情勢などにより刻々と変化するものです。プロジェクト開始時のみ実施するだけでは不十分です。

リスクの特定


「リスクの特定」では、プロジェクトのおかれている状況を認識し、懸念と考えられる事柄を洗い出し、懸念事項が現実になった場合の影響などを加味してリスク項目を導出します。

リスク項目を特定する際には、ご自身もしくはプロジェクトメンバの経験則をもとにしたり、リスクチェックリストなどを用いるのも効果的です。

導出したリスク項目は「リスク管理表」に記載していきます。

リスク項目の例

人材不足のため開発時の追加要員の手配が困難
→人が見つからず、計画より少ない人員で開発を行う→納期遅延、メンバ疲弊
→十分なスキルを持ったメンバを投入できない→生産性低下、品質悪化
​​​​



リスクの分析

「リス分析」は、導出したリスク項目が顕在化した場合の「影響度」(インパクト)と顕在化するであろう「確度」(発生する確率)をもとに「重要度」(リスクポイント)を導き出します。


下図では、影響度および確度をそれぞれ「高中低」の3段階で評価し、交わる箇所の数値を重要度(リスクポイント)とします。

※分析手法は一例です。評価軸や表中の数値は各プロジェクトで見直してください。


リスク対応の計画

「リスク対応の計画」では、重要度(リスクポイント)をもとに対応策を検討していきます。

対応策は以下の通り、大きく5つに分類されます。

このうち、プロジェクト活動中の対応策は「リスク予防策」「リスク軽減策」「リスク監視策(監視のみ)」を選択するケースが多くみられます

選択した対応策はリスク管理表に記載しますが、その際、いつ・誰が・何を実施するか具体的に検討すること重要です。

リスク対応策の例

人材不足のため、開発時の追加要員の手配が困難
→社内人員を投入できるように調整し、事前教育により必要スキルを習得させる
→早い段階でビジネスパートナーに相談し、予定時期に参画を依頼
→未取引のビジネスパートナーを開拓し、提案を依頼する

下図は一例です。リスクポイントによる方針は、各プロジェクトで見直してください。



リスク対応策の実施、リスクの監視

「リスク対応策の実施」「リスクの監視」では、リスク管理表やリスク対応方針(図2)をもとに対応策の実施と監視を行います。

プロジェクト活動中は定期的にリスクの監視を行い、状況に応じてリスク対応策を実施します。


リスク管理に役立つテンプレート

リスクマネジメントは課題管理と同様に期日管理が必要です。

プロジェクトの管理資料としてリスク管理表のテンプレートをご用意しています。ぜひご参考になさってください。


リスク管理表テンプレート(Excel形式)をダウンロードする


プロジェクトマネジメント研修には「リンプレス」

リンプレスでは、リスクマネジメントをはじめとしたプロジェクトマネジメントの基礎が学べる1Day型研修を開催しています。


プロジェクトリーダー基礎研修「PL教室」

■ここがポイント

プロジェクトマネジメントの基礎と、プロジェクトリーダーに必要な推進能力を学習

  • プロジェクト管理技法(PMBOK)と、プロジェクトリーダーに必要なリーダーシップやコミュニケーションなどプロジェクト推進に必要な能力を学ぶ

体験型ワークショップ

  • 高参画度のチームの生産性やリーダシップ診断ツールの活用

▼詳細を見る
PL教室(1day)


まとめ

リスクが顕在化しない、もしくはそもそもリスクがないのであれば、リスクマネジメントは不要ともいえます。

しかし、私自身そのようなプロジェクトに出会ったことはありません。すべてのプロジェクトには何かしらのリスクがあります。

リスクは発生するとプロジェクト成功を阻害する要因となり、場合によっては企業への大きなダメージになることもあります。

リスクが発生しなければそれでよし、リスクを未然に防げればなおよし、という考えを持ってリスクマネジメントを実施して頂きたいと考えます。

自社のリスクマネジメント力を強化したいとお考えなら、ぜひリンプレスにご相談ください。
ご相談・お問い合わせ
​​​​​​​


川上 淳一
川上 淳一
株式会社リンプレス イノベーション事業部 エグゼクティブパフォーマー 主に金融業や製造業、製薬業、通販業、通信業など汎用機・C/S・Webのシステム構築に幅広く携わってきた。 多くのプロジェクトでプロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャを経験し、2019年から現職に至る。 現在は要求分析・IT企画研修やプロジェクトリーダー研修を担当。

関連記事

Document

資料請求

リンプレスの
DX推進人材育成プログラムの紹介資料を
ダウンロードできます。

Contact

ご相談・お問い合わせ

お客様のDX実現に向けた課題解決を
サポートします。
お気軽にご相談ください。

Newsletter

メルマガ登録

DX人材の育成に
役立つセミナー開催情報や
支援事例などをお届けします。