
DX推進に必要な「プロジェクトマネジメントスキル」とは何か?どのように身につけるか?
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はじめに
ポストコロナを見据え、各社がDXに向けて本格的な取り組みを進め始めています。
実際に企業におけるIT投資はコロナ禍の2020年以降、年々増加傾向にあり、2023年度にはコロナ禍以前の水準にまで回復すると予測されています。
(出典:JUAS 日本情報システム・ユーザー協会『企業IT動向調査2023』
IT投資が増えるということは、その分、ITプロジェクトの規模やその数自体も増加することが考えられます。
このような背景から、いま企業はDX・ITプロジェクトを推進する人材、特に「プロジェクトマネジメント人材」の確保・育成が急務となっています。
本記事では、DXの実現をリードするプロジェクトリーダー/プロジェクトマネージャー(PL/PM)をどう育成するべきか、また、PM/PLに求められる役割やスキルについて解説していきます。
DXを推進する人材の充足度
DXの重要性が増加する一方で、「DXを推進できる人材がいない」という課題に多くの企業が直面しています。
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が発表した最新の調査結果『DX白書2023』でも、DXを推進する人材の「量」の不足が年々進んでいるという結果が出ています。
(出典:IPA 情報処理推進機構『DX白書2023』)
DX先進国である米国との比較を見てもその差は歴然となっています。
その背景には、日本ではIT人材がユーザー企業に少なく、IT企業に多く偏っているといった構造上の違い(商習慣の違い)があるとされています。
また、本調査ではDXを推進する人材の「質」の確保についても尋ねています。
(出典:IPA 情報処理推進機構『DX白書2023』)
この結果からも、日本企業の多くはDXを推進する人材の「量」「質」ともに大幅に不足し、その不足割合は年々増加していることが明らかになっています。
その主な要因としては、この1年で本格的にDXに取り組む企業が増加したことによって、DX推進上必要な人材に対するニーズが増加していると報告されています。
DXを推進する人材に求められる「質」とは
では、DXを推進する人材に求められる「質」はどういったものでしょうか。本記事では「質」が意味するものを「スキル」として考えてみます。
IPAが発表した調査によれば、今後IT人材に身につけさせるべき重要度が高いスキルはユーザ企業・IT企業ともに、2年連続で「人、プロジェクトやタスクのマネジメントスキル」と報告されています。
(出典:IPA 情報処理推進機構『DX白書2023』)
DXでイメージしがちな、AIやIoTといった「デジタル技術」や「デザイン思考」などのスキルよりも、「プロジェクトマネジメントスキル」を最も重要視しています。
ITプロジェクト量の増加に加え、プロジェクト自体の複雑化・高度化が進む中でDXを成功させるためには、正しくプロジェクトマネジメントを実行できるPL/PMが重要と言えるでしょう。
PL/PMに求められるスキルとは
企業によってPL/PMの定義や呼び方に違いはありますが、プロジェクトの責任者が担う主な役割はプロジェクトの”管理”と”推進”です。
このうちプロジェクト管理する力(以下、プロジェクト管理力)を強化するには、PMBOKやCMMIなどに代表される「プロジェクトマネジメント技法」の習得が効果的です。
他にもプロジェクト管理ツールなどを上手く駆使することで、プロセスや成果物のレベルを一定に保つことが可能となります。
しかし、これらを活用することで必ずプロジェクトが上手くいくとは限りません。
プロジェクトは規模や期間、予算、プロジェクトメンバーが毎回異なるため、様々な局面でPL/PMがプロジェクト状況を的確に把握し、適切に対処・決断しなければならない場面が多々存在します。
特にユーザー企業におけるPL/PMは、エンドユーザーや経営層とITベンダなど様々なステークホルダとともにプロジェクトを実行することとなります。
そのため、プロジェクト管理力を身につけるだけではなく、プロジェクトの状況に応じた適切なリーダーシップやコミュニケーションを行うための「プロジェクト推進力」も重要です。
当社ではこの2つの能力を「アビリティ」「コンピテンス」と表現しており、PL/PMはこの両方を身につけることが重要だと考えています。
アビリティ:知識や技能など、自分ひとりで発揮可能な能力
例)
- PMBOKなどのプロジェクト管理技法を活用できる
- プロジェクト管理ツールを使える
コンピテンス:他者との関わりの中で発揮される能力
例)
- 他者と適切なコミュニケーションが取れる
- リーダーシップを発揮し、プロジェクトメンバーを牽引できる
- 予期しない事態に遭遇した際に、自ら決断・交渉・調整ができる
アビリティとコンピテンスを身につける方法
では、実際にアビリティとコンピテンスを鍛えるにはどのように学習すればよいでしょうか。それぞれ詳しく解説していきます。
アビリティの磨き方
アビリティは個人で勉強、あるいは練習を重ねることで習得可能であるとされています。
例えば、PMBOKを駆使できるようになるには、書籍や研修を通じて勉強することで一定の能力を獲得することが可能となります。
以下のように勉強→実践→振り返りのサイクルを繰り返すことでアビリティを身につけることができます。
コンピテンスの磨き方
一方、コミュニケーションやリーダーシップといったコンピテンスは書籍等で手順や手法を学んだとしても、実際にそれが相応しい行動であるかは実行してみなければ分かりません。
つまり、コンピテンスは自分ひとりで習得できるものではなく、以下のように他者とのコミュニケーションの実践の場で行動すること(Do)をきっかけにコツを掴み、成長していきます。
PM/PLとして、プロジェクトの成功に必要なアビリティを身につけることも非常に大切ですが、併せて実践の場でコンピテンスを鍛えていくことが重要です。
PL/PMに必要なスキルが身につく研修
当社ではPL/PMを育成するための研修として、以下の2つの研修を提供しています。
①プロジェクトリーダー基礎研修「PL教室」
プロジェクトマネジメントの基礎(アビリティ)と、プロジェクト推進に必要な能力(コンピテンス)を学習する研修
■ここがポイント
プロジェクトマネジメントの基礎を学習
- プロジェクト管理技法(PMBOK)と、PM/PLに必要なコンピテンスを学ぶプログラム
体験型ワークショップ
- 高参画度のチームの生産性やリーダシップ診断ツールの活用
②プロジェクトリーダー実践研修「TREND-PL」
仮想プロジェクトを題材に、実践・体験を通してPL/PMに必要なコンピテンスを身につける研修
■ここがポイント
「人」に着目したプログラム
- 行動科学の理論をベースにPM/PLに必要なリーダーシップ、状況認識・決断・交渉などコンピテンスに特化したプログラム
他流試合による実践・体験型学習
- 様々な業種業界の方との仮想プロジェクト体験を通して、プロジェクトに必要なヒューマンスキルを学習する
▼それぞれの研修の詳細を見る
https://www.linpress.co.jp/project-leader
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