
DX人材を内部登用するには?選定基準や育成・アサインのポイントを解説
DXを推進する部署へ人材を配置したいものの社内に前例がなく、「どのような基準で候補者を選べば良いかわからない」と悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。DX人材を内部登用する際は、自社の業務への理解や課題を整理する力、周囲を巻き込む力などを見極めることが重要です。
本記事では、DX人材を内部登用するメリットや重視すべき選定基準、進める際の具体的な流れ、社内で内部登用できない場合の対処法を解説します。
DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。
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DX人材は内部登用できる?
DX人材は外部採用を考えがちですが、既存社員を社内から登用することが可能です。現時点で十分なデジタル知識を持つ社員がいなくても、自社の業務への理解や本人の適性を踏まえて育成すれば、DXを担う人材として活躍してもらうことができます。
一方で、候補者の選び方や登用後の体制によっては、DXの取り組みが円滑に進まない場合もあるので注意が必要です。
DX人材に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
DX人材とは?定義・必要なスキル・育成方法を徹底解説
DX人材を内部登用するメリット
DX人材の内部登用は、自社の事業・業務や社内の意思決定、部門ごとの事情などを把握した人材を配置できるのがメリットです。現場との関係性もすでに築かれているので課題を聞き出しやすく、施策を進める際にも協力を得やすいでしょう。
また、外部採用と比べて事業内容や組織文化を理解してもらうまでの時間を短縮でき、採用にかかる費用も抑えることができます。さらに、既存社員に新たな役割を任せることで社内のキャリア形成を促し、ほかの社員の学習意欲を高めるきっかけにもつながります。
DX人材の内部登用で起こりやすい課題
DX人材の内部登用では、どの社員を選ぶべきか判断しにくいことが課題として挙げられます。社内に前例がないと選定基準が曖昧になり、デジタルスキルだけで候補者を決めてしまいがちですが、DX人材には業務への理解や課題解決力も必要なため、それだけで選ぶのは適切ではありません。
また、通常業務を抱えたままDX業務を任せると本人の負担が大きくなってしまいます。担当範囲や業務量を整理しないまま登用すれば、DXに取り組む時間を確保できず、活動そのものが形骸化するかもしれません。
内部登用を成功させるには人材選定だけでなく、登用後にDX業務に取り組みやすい体制を整えることが重要です。
DX人材の内部登用で重視すべき選定基準
DX人材を内部登用する際に重視すべきポイントとして、以下の7つが挙げられます。
自社の業務や事業への理解がある
課題を発見して整理する力がある
デジタル技術への関心や学習意欲がある
周囲を巻き込むコミュニケーション力がある
部門間の調整や交渉ができる
変化を前向きに受け入れられる
試行錯誤を続けられる粘り強さがある
ここでは、それぞれの選定基準について詳しく解説します。
1.自社の業務や事業への理解がある
DX人材には、自社の業務がどのようにつながり、どこで顧客価値や利益が生まれているのかを捉える力が必要です。自部門の効率だけを優先して改善を進めると、ほかの部門で確認や修正の手間が増え、会社全体では業務負担が減らない場合があります。
候補者を選ぶ際は担当業務への詳しさだけでなく、前後の工程や他部門との関係まで理解しているかを見極める必要があります。日ごろから業務上の課題を事業全体の視点で捉えている社員は、DX人材としての適性があると考えられます。
2.課題を発見して整理する力がある
日常業務の中にある問題に気づき、原因や優先順位を整理する力はDX人材に求められる能力の一つです。
DXでは、現場から挙がった要望にそのまま対応するのではなく、本来解決すべき課題を明らかにしたうえで施策を考える必要があります。目の前の不便だけを解消しても、原因が残っていれば十分な改善にはつながりません。
普段から業務上の違和感に目を向け、その背景や改善方法まで考えている社員は、DX人材としての適性があるといえます。
3.デジタル技術への関心や学習意欲がある
新しいツールや技術に関心を持ち、自ら学び続けられる社員はDX人材に向いています。デジタル技術やサービスは変化が早く、登用時点の知識だけでは今後生じる業務課題に対応し続けるのが難しくなります。
自ら情報を集め、活用方法を考えたり周囲へ共有したりしている社員であれば、登用後の成長も期待できるでしょう。
4.周囲を巻き込むコミュニケーション力がある
施策の目的や必要性を相手に伝え、協力を得られるかどうかも、DX人材を選定する際の重要な基準です。
DXを進めるためには、現場の理解と協力を得ることが欠かせません。一方的に変更を進めると社員の意見や不安が置き去りになり、反発を招く場合があります。
普段から複数の社員へ声をかけ、周囲を巻き込みながら業務改善に取り組んでいる人材であれば、現場の理解を得ながらDX施策を進めることができます。
5.部門間の調整や交渉ができる
DX人材には、部門ごとに異なる要望や優先順位を整理し、合意形成を進める力も求められます。部門横断の施策では、予算や業務負担、導入時期をめぐって意見が分かれることも珍しくありません。
候補者を選ぶ際は、立場の異なる関係者の意見や条件を整理し、納得できる代替案や進め方を提案した経験があるかを確認します。周囲から協力を得るだけでなく、利害の違いを踏まえて着地点をまとめられる社員は、部門横断のDXを担う人材に適しています。
6.変化を前向きに受け入れられる
DX人材を選定する際は、従来の方法に固執せず、新しい業務手順や仕組みを柔軟に受け入れられるかを確認します。DXの取り組みでは、慣れ親しんだ手順や考え方を変えなければならない場面も少なくありません。
慣れたやり方にこだわらず、変化に合わせて行動を切り替えられる社員は、DX人材としての適性があると考えられます。
7.試行錯誤を続けられる粘り強さがある
DX施策は最初の計画通りに進むとは限らず、導入後に新たな課題が見つかることもあります。思うような成果が出ない状況でも、原因を振り返りながら改善を続ける粘り強さが必要です。
候補者を選ぶ際は、過去の仕事で失敗や停滞が生じたときに進め方を見直して再び取り組んでいたかを確認します。一度の結果で諦めず、検証と修正を重ねられる社員であれば、長期的なDX推進にも対応できます。
なお、DX人材の育成に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。
DX人材の育成に役立つスキルマップの作り方|各領域ごとの具体例を紹介
DX人材をデジタルスキルだけで選んではいけない理由
DXはシステムの導入自体ではなく、事業や業務上の課題を解決することを目的とした取り組みであるため、デジタルツールを使いこなせるという理由だけでDX人材を選ぶべきではありません。
DX人材には、自社の業務や現場の課題を理解し、ビジネス上の目的とデジタル技術を結びつける役割が求められます。デジタルスキルが高くても、解決すべき課題を正しく捉えられなければ適切な施策や手段を選ぶのは困難です。
内部登用では、デジタル技術を導入するかどうかも含め、課題に合った手段を見極められる人材を選ぶことが大切です。
DX人材の内部登用を進める手順
DX人材の内部登用では、候補者を探す前に自社がDXによって何を実現したいのかを整理する必要があります。そのうえで対象となる社員を幅広く選び、本人の意思や実務での適性を確認してから正式にアサインします。
ここでは、DX人材の内部登用を進める際の手順を以下の流れに沿って解説します。
DX戦略と必要な人材像を明確にする
候補者を複数の部門から選出する
本人の意欲やキャリア希望を確認する
研修や小規模なプロジェクトで適性を見極める
役割と責任を明確にしてアサインする
DX戦略と必要な人材像を明確にする
DX人材の内部登用を進める際、まずは自社がDXによって解決したい課題や実現したい状態を整理します。そのうえで、DX人材に任せる業務を明らかにし、業務を遂行するために必要な経験や能力を具体化します。
DXの目的から必要な人材像までを一貫して整理しておくことで、デジタル知識や現在の肩書だけに偏らず、自社のDX戦略に合った候補者を選べるようになります。
候補者を複数の部門から選出する
候補者は情報システム部門に限定せず、営業や製造、管理部門などから幅広く選出します。部門ごとに異なる経験や視点を持つ社員を候補に含めることで、自社のDXに合った人材を見つけやすくなります。
複数の部門から候補者を挙げたら、面談やアセスメントを通じて適性を確認します。過去の評価や上司からの推薦だけに頼らず、課題の捉え方や学習意欲、周囲と協力して物事を進められるかなどを踏まえて候補者を絞り込むのがポイントです。
本人の意欲やキャリア希望を確認する
候補者を選出した後は、DX業務への関心や今後のキャリアに対する考えを本人に確認します。DX人材は継続的な学習や部門を越えた調整を担うため、本人の意思を確認しないまま登用すると役割への負担感が強くなりかねません。
会社が任せたい役割や期待する成果を伝え、本人の希望とすり合わせたうえで登用へ進むかを判断することが肝心です。
研修や小規模なプロジェクトで適性を見極める
候補者を絞り込んだら、研修や小規模な業務改善プロジェクトへ参加してもらい、実際の行動から適性を確認します。「課題をどのように整理するか」「周囲とどのように連携するか」を見ることで、面談だけではわからない仕事の進め方を把握できます。
また、最初から大きな施策を任せず、対象業務や期間を限定して実施すれば、候補者への負担を抑えながら適性を判断できます。取り組みを通じて強みや不足している知識・経験も確認できるため、登用後の役割や育成方針を決める際にも役立つでしょう。
役割と責任を明確にしてアサインする
登用する人材の決定後、担当する業務や責任の範囲、本人の判断で進められる範囲を明確にします。これらが曖昧なままだと本人が何を優先すべきかわからず、関係部門もどこまで協力すれば良いか判断できません。
本人と周囲の認識を揃えたうえでアサインすることで、DX施策を円滑に進められる体制を整えられます。
DX人材は内部登用後のフォローも重要
内部登用したDX人材が新しい役割へ慣れ、継続して力を発揮するには登用後のフォローが欠かせません。現場との調整や新しい知識の習得を一人で抱える状態が続くと本人の負担が増え、施策の停滞にもつながります。
登用後は、定期的な面談で課題や不安を確認するほか、社内外のDX人材と交流できる機会を設けるのが有効です。併せて、短期的な成果だけに偏らない評価基準を整え、本人の取り組みを適切に評価できる環境を用意するのも大切です。
内部登用したDX人材の評価方法
DX施策は、業務の見直しや現場への定着に時間がかかるため、短期間で売上や利益に結びつくとは限りません。そのため、内部登用したDX人材を評価する際は、業務時間の削減や生産性の向上、情報共有の改善など、施策によって生じた変化を確認することが重要です。
それに加え、「課題を見つけて提案したか」「関係者と調整しながら改善を進めたか」といった行動や、成果が出るまで粘り強く取り組む姿勢も評価の対象に含めます。成果と過程の両方を見ることで短期的な結果だけに偏らず、DXへの貢献を適切に評価することが可能です。
DX人材の評価基準に関しては、以下の記事でも詳しく解説しています。
DX人材はどう評価すべき?効果測定に活用できる評価基準とスキル指標を解説
社内にDX人材がいない場合は?
現時点でDXに必要な知識や経験を備えた社員がいない場合は、以下の方法で人材を育成できます。
社内研修
OJT
プロによる研修プログラムの導入
ここでは、それぞれの育成方法について解説します。
社内研修
社内研修では、自社のDX方針や業務課題を踏まえ、候補者に必要な基礎知識を共有します。DXの考え方やデータ活用、業務改善の進め方などを複数の社員が学ぶことで、社内の認識も揃えやすくなります。
一般的な知識を伝えるだけでは実践につながりにくいため、自社の業務を題材にした演習や意見交換を取り入れ、日常業務へ落とし込める研修にすることが大切です。
OJT
OJTでは、実際の業務改善やDX施策へ参加しながら、課題整理や施策の進め方を身につけます。座学で得た知識を実務で試せるため、自社の状況に合わせて判断する力を養えます。
ただし、DX業務を任せるだけでは育成にならないため、経験者や上司が定期的に進捗を確認し、判断の理由や改善点を振り返る機会を設けることが大切です。担当範囲を段階的に広げることで、候補者は負担を抑えながら経験を積めるでしょう。
プロによる研修プログラムの導入
社内にDX人材を育成できる指導者がいない場合は、外部の専門家による研修プログラムが有効です。基礎知識だけでなく、課題の設定や施策の企画など、実務に必要な考え方を体系的に学習できます。
ただし、決められた内容を受講するだけでは、自社の課題や受講者の習熟度に合わない可能性があります。外部研修を選ぶ際は、自社のDX戦略や育成したい人材像に合わせて研修内容を調整できるか確認することが重要です。
DX人材の社内育成には「リンプレス」
DX人材を社内で育成するには基礎知識を学ぶ機会を設けるだけでなく、自社の課題に合わせて実践力を高められる環境を整える必要があります。しかし、研修内容の設計から実務への定着までを社内だけで進めるのは容易ではありません。
そこで活用したいのが、DX人材育成を専門とする企業の支援です。「リンプレス」では、企業ごとの課題や育成方針に合わせ、ワークショップやハンズオン形式の研修などを提供しています。
コンサルティングや内製化支援にも対応しているため、DX施策の実践や社内定着などを継続的にサポートすることが可能です。DX人材の育成方法や研修内容にお悩みの場合は、リンプレスへご相談ください。
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また、累計4,000社以上への研修・コンサルティング経験をもとに、実際のITプロジェクトで活用できる理論やモデル、成果物のフレームを提供しています。実務に即した知識やノウハウを学べるため、研修で得た内容を自社の業務へ応用する力を養えます。
DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。
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まとめ
DX人材は外部から採用するだけでなく、自社の事業や業務を理解している社員を内部登用することでも確保できます。ただし、候補者を選ぶ際はデジタルスキルの高さだけで判断せず、課題を整理する力や周囲を巻き込む力、変化に向き合う姿勢などを含めて見極めることが重要です。
現時点で必要な知識を備えた社員がいない場合は、社内研修やOJTなどを実施することでDX人材を段階的に育成できます。自社だけで研修内容や育成の流れを設計するのが難しい場合は、専門家のサポートを受けると良いでしょう。
自社に合った育成体制を整え、DXを担う人材を着実に育てたい場合は、リンプレスへご相談ください。
<文/文園 香織>











