
自治体のDX人材育成とは?育成対象・必要スキル・よくある課題や効果的な方法を解説
自治体のDX人材育成は、業務効率化を進める上で欠かせない取り組みです。DXによる業務効率化が求められる昨今、各自治体は段階的に職員のデジタルスキルを高める必要があります。
本記事では、自治体がDX人材に必要なスキルや育成時にありがちな課題、庁内研修や外部研修サービスの活用方法などをわかりやすく解説します。
DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。
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自治体がDX人材を育成すべき背景
自治体がDX人材の育成に注力すべき理由は、現場の人手不足が進む中、デジタル技術を活用した業務改革が急務となっているためです。
ここからは、自治体がDX人材を育成すべき背景を見ていきましょう。
自治体DXを取り巻く現状
自治体のDXは、国の方針に沿って全国で推進されている重要な施策です。
総務省は「自治体デジタル・トランスフォーメーション(DX)推進計画」を策定し、情報システムの標準化や共通化、行政手続きのオンライン化、AI・RPAの利用推進などを重点事項として位置付けています。
同計画では2025年ごろをめどに、国が策定する標準仕様に基づいた基幹システムへ完全移行するという目標も掲げられており、今後も自治体DXを進める動きは加速すると言われています。
DX人材育成に課題を抱える自治体は多い
DXが進まない最大の要因の一つはDX人材の不足ですが、これを解消できていない自治体は少なくありません。
総務省が2023年に公表した調査では、職員に対してDX・情報化を推進するための育成の取組を行う自治体は1,311団体(75.3%)に上る一方で、「育成方針を立てることが困難」とする自治体も1,283団体(73.7%)と多数を占めることが明らかになっています。
多くの自治体がDX人材育成の必要性を認識しつつも、具体的な進め方に課題を抱えているのが実情です。
自治体のDX人材に求められる役割と人材像
自治体のDX人材といっても、すべての職員に同じスキルが求められるわけではありません。
ここからは、「幹部・管理職」「DX推進リーダー」「一般職員」という3つの階層に分けて、それぞれに求められる役割と人材像を整理します。
幹部・管理職に求められる役割
幹部・管理職には、自治体全体のDX戦略を描き、組織を動かす役割が求められます。具体的な役割は、次の3つです。
自治体全体のDX推進方針を決定する
必要な予算や人員配置を判断する
現場の業務をデジタル技術でどう変革するか構想を描く
高い視座から大きな構想を示すことが幹部・管理職の役割です。目の前の業務で忙しい現場を動かすためには、幹部職員自らDXを進める姿勢を示すことも求められます。
DX推進リーダーに求められる役割
DX推進リーダーは、自治体のDXを実務レベルで牽引する中核人材です。
総務省の指針では、DX推進リーダーを「デジタル化の取り組みの中核を担う職員」と定義しています。
DX推進リーダーに求められる役割の具体例として、以下が挙げられます。
業務課題の整理とデジタル技術による解決策の立案
システム導入や業務フロー変更のプロジェクト管理
外部ベンダーとの調整
一般職員の教育・育成
自治体におけるDX推進リーダーは、幹部の方針と現場の実務をつなぐ「橋渡し役」として、多角的な役割が求められるポジションです。
DX推進リーダーについては、以下の記事で詳しく紹介しています。
DXリーダーに必要なスキルとは?人材確保に最適な育成方法も解説
一般職員に求められる役割
一般職員に求められるのは、業務の中でデジタル技術を活用し、自らの仕事を改善していく姿勢です。
具体的には、ExcelやWordなどを正しく使えるようになること、RPAやAIによって定型業務を自動化することといった、細かな改善を積み重ねる役割が求められます。ボトムアップで、業務改善に向けたITツールの導入を幹部やDX推進リーダーに提案することも重要です。
自治体のDX人材が身につけるべきスキル
DX人材に求められるスキルは、職位や役割によって大きく異なります。
幹部・管理職には組織を動かす意思決定力、DX推進リーダーには技術と業務をつなぐ専門性、一般職員には日々の業務に活かせる実用的なスキルが必要です。
ここからは、それぞれの層に求められる具体的なスキルを整理して紹介します。
幹部・管理職に必要なスキル
幹部・管理職に必要なのは、次の二つです。
DX戦略の立案スキル
自団体の課題と地域の将来像を踏まえてDXの方向性を描く戦略立案能力が重要です。デジタル技術の細かな知識ではなく、「何を実現するためにDXを推進するのか」というビジョンを言語化し、職員や住民に伝える力が問われます。
組織マネジメントスキル
限られた予算と人員の中でDXを進めるための予算・組織マネジメント力です。どのツールにどの程度の予算を注ぎ込むのか、DX化にどの程度の人員を割くのかといった判断が求められます。
DX推進リーダーに必要なスキル
DX推進リーダーには、デジタル技術と業務知識を兼ね備えた実務スキルが必要です。
デジタル技術の実務知識
クラウドサービスの仕組み、データ活用の基礎、AI・RPAの活用方法、情報セキュリティの考え方など、システムの企画や導入判断に必要な知識を一通り押さえる必要があります。自治体によっては、DX推進リーダーに対し、ITパスポートの資格取得を推奨しているところもあります。
プロジェクト管理能力
リーダーとして複数の関係者を巻き込みながら、DXに向けたスケジュール管理や予算管理を行う能力が問われます。
一般職員に必要なスキル
一般職員には、日々の業務を改善するための基本的なデジタルスキルが求められます。
デジタルツールの操作スキル
Excelなどを使ったデータ集計、ZoomやGoogle Meetなどの活用など、業務で使うツールを正しく使いこなせることが出発点となります。最近ではチャットや生成AIを業務に取り入れる自治体も増えており、新しいツールに前向きに取り組む姿勢も大切です。
情報セキュリティに関する基礎知識
情報インシデントを起こさないよう、日頃からセキュリティ意識を高めておく必要があります。
自治体におけるDX人材育成の課題
自治体がDX人材育成を進める際には、共通して直面しやすい課題があります。これらを事前に把握しておくことで、育成計画の設計や運用を効率的に進められるでしょう。
自治体でDX人材育成を実施する際によく見られる4つの課題として、以下が挙げられます。
育成対象と必要スキルの定義が曖昧になりやすい
庁内だけでは専門的な知識・スキルの習得に限界がある
研修後に実務へ活かされないケースが多い
継続的な育成の仕組みが構築されていない
事前にこれらの課題を知っておくことで、育成がうまくいかないといったリスクを避けられるでしょう。それぞれ、詳しく紹介します。
育成対象と必要スキルの定義が曖昧になりやすい
自治体のDX人材育成で生じがちな問題が、「誰にどのスキルを身につけさせるのか」という定義が曖昧なまま育成を始めてしまうことです。
「DX人材の育成」といったキーワードばかりが先行してしまい、どの層の職員を優先的に育成すべきか、あるいは各層にどのレベルのスキルを求めるのかを具体化できていない自治体は少なくありません。
定義が曖昧なまま研修を実施すると、内容が職員の実務に合わなかったり、受講者の理解度にばらつきが生じたりして、業務改善につながらなくなります。
DX人材を育成する上で重要な「スキルマップ」の作り方は、以下の記事で紹介しています。
DX人材の育成に役立つスキルマップの作り方|各領域ごとの具体例を紹介
庁内だけでは専門的な知識・スキルの習得に限界がある
自治体内部だけで高度なデジタルスキルを教えることが難しいケースもあります。
DXに必要な知識は、クラウド、AI、データ活用、情報セキュリティ、プロジェクトマネジメントなど多岐にわたります。これらを庁内で教えられる職員を確保するのは容易ではありません。
また、デジタル技術は進化のスピードが速いため、常に最新の知識を追い続けることも難しいでしょう。このような状態で無理に内部のみで研修を完結させてしまうと、育成効果の低下や職員の負担増大につながります。
DX人材育成は、自治体への導入実績を持つ「リンプレス」にお任せください。
リンプレスのプログラムはワークショップや仮想プロジェクトの進行などで構成されているため、学んだ内容を自社のDX推進に結びつける「実践力」が身につきます。
詳しくは以下のリンクからご覧いただけます。
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研修後に実務へ活かされないケースが多い
「学んだ内容が実際の業務改善に結びつかない」という課題もあります。
DXに関する知識を講義で伝えるだけだと、職員は自分の業務にどう適用すればよいかイメージできないことが多いです。研修直後は意欲が高まっても、日常業務に戻ると元のやり方に戻ってしまうといったケースもよく聞かれます。
ワークショップ形式の演習を取り入れたり、自団体の業務課題をテーマにしたケーススタディを実施したりするなど、実務との接続を意識した研修内容にすることが大切です。
継続的な育成の仕組みが構築されていない
DX人材の育成は単発の研修で完結するものではなく、継続的に行うべき取り組みです。
しかし自治体のDX人材育成では、年度ごとの研修予算や人事ローテーションに合わせて研修を実施しており、長期的な育成ロードマップを描けていないケースが見られます。
DX人材育成を行う際は、3〜5年の長期的な視点で計画を立てることが重要です。この間には職員の異動なども考えられるため、人事制度との連携も欠かせません。
DXロードマップの作成方法は、以下の記事で詳しく紹介しています。
DXロードマップの作り方とは?推進を成功させるための手順とポイントを解説
自治体のDX人材育成方法
自治体がDX人材を育成する方法には、大きく分けて三つの選択肢があります。それぞれのメリットとデメリットは、次の表の通りです。
研修方法 | メリット | デメリット |
1.庁内研修 | 柔軟に内容を設計できる | 人的コストが大きい |
2.OJT | 実務に直結しやすい | 育成の品質にムラが生じる |
3.外部研修サービスの活用 | コンテンツの品質が高い 人的コストがほぼ生じない | 金銭的コストが生じる |
ここからは、それぞれの育成方法の特徴を順番に解説していきます。
1.庁内研修
庁内研修は、自団体の業務や課題に合わせた内容を設計できる点が魅力です。
例えば、自団体で導入している基幹システムの操作研修、地域特有の業務課題を題材にしたワークショップなどは、庁内研修だからこそ実施できるテーマです。職員のスキルレベルに合わせて、柔軟にコンテンツを設計することもできます。
一方で、庁内研修には人的コストがかかる点に注意が必要です。研修内容の企画、教材作成、講師の手配、運営など、講師を担当する職員の負担は決して小さくありません。基礎的な内容や自団体固有のテーマに絞って実施し、専門的な内容は外部の力を借りるなど、役割分担を明確にするのがおすすめです。
2.OJT
OJTは、実際の業務を通じてDXスキルを身につける育成方法です。
例えば、業務改善プロジェクトや新システム導入プロジェクトに若手職員を参加させ、先輩職員と一緒に進めながらスキルを習得してもらうといった方法があります。実務に直結した学びが得られるため、研修で学んだ知識を定着させる手段としても有効です。
ただし、OJTにはトレーナーを担当する職員が必要であり、自治体の中にDX推進をリードできる人材が不足している場合、そもそも実施できないという問題があります。また、OJTの品質はトレーナーの力量に左右されるため、教育の品質にムラが生じやすいです。
3.外部研修サービスの活用
外部研修・教育サービスを活用すると、専門性の高い研修内容を効率的に取り入れられます。
DX分野に特化した研修会社のプログラムには、最新の技術動向、他自治体や民間企業の事例などが豊富に盛り込まれています。人材育成やDXのプロが研修設計を行うため、実務との接続を意識した実践的なプログラムになっていることが多いです。
なお、デメリットとしては金銭的コストが生じる点が挙げられます。
外部サービスの活用には補助金・助成金も使える
外部研修サービスを活用する際には、国の減税措置や補助金、助成金を使える場合があります。
例として、総務省による「DX推進リーダーの育成に係る地方財政措置」などが挙げられます。
対象 | 各都道府県市町村 |
対象経費 | DX推進リーダーの育成に係る研修に対する経費、民間講座の受講料、資格取得のための受験料等 |
措置額 | 対象経費の合計額に0.7を乗じて得た額 |
引用元:地⽅公共団体におけるデジタル化の取組の中核を担う職員(DX推進リーダー)の育成に係る特別交付税措置【延⻑】
細かな運用等は毎年変更されているので、自団体で活用できるものがないかどうか、ぜひチェックしてみてください。
自治体のDX人材育成に外部サービスの活用がおすすめな理由
自治体のDX人材育成には、外部の研修サービスを活用することがおすすめです。
ここでは、外部サービスを活用する主なメリットを3つの観点から紹介します。
専門性の高い研修プログラムを即座に導入できる
育成ノウハウを蓄積しながらコストを抑えられる
成果の可視化・効果測定がしやすい
専門性の高い研修プログラムを即座に導入できる
外部サービスを活用する最大のメリットは、すでに体系化された専門性の高い研修プログラムを、すぐに自団体の育成に取り入れられる点です。
DXに関する知識は、クラウドやデータ活用、AIなど多岐にわたります。内容も年々変化するため、これらを庁内で一から教材化するには膨大な時間と労力が必要です。一方、研修会社が作成したカリキュラムを利用すれば、すぐに質の高い学びの場を職員に届けられます。
自団体の課題に合わせて研修内容をカスタマイズしてもらえるサービスも多く、専門性と即効性を両立できる点が大きなメリットと言えるでしょう。
人的コストを抑えられる
外部サービスを活用することで、人材育成にかかる人的コストを抑えることができます。
前述した庁内研修やOJTだと、どうしても講師を担当する職員に大きな負担がかかります。DXの知識を備えた人材はDX推進リーダーとして現場の業務改善で忙しいことも多く、こうした人材の負荷を増やすとかえってDXの推進力が落ちる可能性も否めません。
外部サービスでは教材開発や講師確保にかかる人的コストが不要なため、庁内研修をゼロから立ち上げるよりも費用対効果が高くなりやすいです。先ほど紹介したような国の地方財政措置を活用すれば、さらに実施コストを軽減できる可能性もあります。
成果の可視化・効果測定がしやすい
外部の研修サービスでは、研修の効果測定や成果の可視化に関する仕組みが整っているケースが多いです。
細かなサービス内容は会社によって異なりますが、例えば次のような効果測定に対応しているサービスがあります。
研修前後でのスキルレベル評価
受講者アンケート
業務改善の成果報告
成果を目に見える形で把握できるため、ご自身の自治体のDXに向けた方針を立てやすくなります。幹部に向けて育成効果を説明しやすくなるという利点もあります。
自治体DX人材の育成なら「リンプレス」
自治体のDX人材育成を効果的に進めたい場合は、累計4,000社以上の支援実績を持つ「リンプレス」をぜひご検討ください。
リンプレスは、企業や自治体のDX推進に向けた人材育成・コンサルティングを長年提供してきた専門企業です。組織の課題や目指す姿に合わせて研修内容をカスタマイズし、基礎的なITリテラシーから実務に直結する企画力・推進力までを体系的に育成いたします。
DX人材育成を計画段階から伴走してほしい、研修と業務改革を一体で進めたい、といったニーズにもお応えしています。
リンプレスが自治体DX人材育成に選ばれる理由
リンプレスが多くの自治体から選ばれている理由は、次の3点です。
実践的な学びを提供している
柔軟に研修内容をカスタマイズできる
豊富な導入実績がある
全職員向けの基礎を学べる「DXリテラシー研修」や、DX推進の中核を担うリーダーを育成する「LDP」など、自治体DXに役立つ豊富なプログラムをご用意しております。自治体のDX人材育成にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
リンプレスのDX人材育成プログラムの特徴
リンプレスのDX研修人材育成プログラムは、土台となるDXのリテラシーからリーダー育成、実践的な課題解決までそろっています。それぞれの特徴をご紹介します。
DXリテラシー研修
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非エンジニア職やバックオフィス社員のDX理解におすすめ
DX推進リーダー育成プログラム「LDP」
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DX課題解決型実践プログラム
現場で起きがちな課題を題材に実践的な解決策を考えるDXトレーニングプログラム
ある程度DXの知識があり現場主導でDX化を促進したい企業に最適
まとめ
本記事では、自治体のDX人材育成について、背景や育成すべき人材像、必要なスキル、課題、育成方法を解説しました。
自治体DXを成功させるには、幹部・管理職、DX推進リーダー、一般職員のそれぞれに求められる役割とスキルを明確にし、計画的に育成していくことが欠かせません。総務省の各種資料なども参考にしながら、自団体の状況に合わせた育成計画を策定することが第一歩です。
自治体DXにお困りの際は、ぜひリンプレスへお気軽にご相談ください。DX人材育成に精通したプロが、体系的かつ実践的なDX人材育成に向けて徹底サポートさせていただきます。
<文/文園 香織>











