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DX人材育成のよくある課題5選|対策と効果的な育成ステップを解説

DXを進めるうえで、技術やツール以上に重要なのが「人材」です。どれだけ高度なシステムを導入しても、それを使いこなし、業務やビジネスに活かせる人がいなければ、DXは形骸化してしまいます。

とはいえ、DX人材の育成には多くの企業が悩みを抱えているのが実情です。「誰を育てればよいのか」「どんなスキルが必要か」「どう育てて、どう活かすのか」――これらを解決しないまま進めると、時間とコストだけが消費されてしまいます。

本記事では、DX人材育成においてよくある5つの課題とその対策、そして実効性のある育成ステップをわかりやすく解説します。

DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。

リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。

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DXを推進するには人材育成が重要

DXの成功には、デジタル技術の導入だけではなく、それを使いこなし、変革をリードできる人材の存在が重要になります。しかし、DXを進めたいと考えていても「どんな人材を育てればいいのか」「どう育てればいいのか」が明確でない企業も少なくありません。

実際に、システムを導入しても社内で活用が進まない、学んだ知識が現場に反映されないといった悩みは多くの企業が直面しています。

自社のDX人材育成を成功させるため、まずはよくある課題を理解しておきましょう。

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DXにおける人材育成のよくある課題

DX人材の育成には、多くの企業が共通して抱える課題があります。ここでは、企業が直面しやすい代表的な5つの課題を紹介します。

  • DX人材」をどう育成すべきかわからない

  • 業務が忙しく人材育成に時間をかけられない

  • DXにおける人材育成のゴールや方針が曖昧

  • DX人材を育成したが、実務に活かせない

  • 人材育成の重要性が一部の社員に伝わっていない

「DX人材」をどう育成すべきかわからない

DX人材と一口に言っても、エンジニアのような専門職から、現場の変革を担うリーダー層までさまざまです。そのため、何を育成目標にすればいいのかが定まらず、教育内容が漠然としてしまうケースが少なくありません。

まずは自社にとっての「DX人材」とは何かを明確に定義し、それに応じたスキルや役割を整理することが必要です。

DX人材の定義については、以下の記事で詳しく紹介しています。
DX人材とは?定義・必要なスキル・育成方法を徹底解説

業務が忙しく人材育成に時間をかけられない

日常業務に追われていると、研修やトレーニングの時間を確保できず、育成が後回しになりがちです。また、実務との両立が難しいと感じる社員が離脱してしまうこともあります。

この課題に対しては、短時間で学べるeラーニングや、業務と連動したOJTなど、無理のない育成手法の導入が有効です。

DXにおける人材育成のゴールや方針が曖昧

「育成は必要だ」と認識していても、最終的にどういう状態になっていれば成功なのかが定まっていない企業は少なくありません。その結果、施策が場当たり的になり、効果測定もできなくなってしまいます。

育成のゴールを「新規サービスの立ち上げに関われる人材」「データを活用して業務改善できる人材」など具体化し、それに基づいた計画が必要です。

DX人材を育成したが、実務に活かせない

知識やスキルを身につけた人材がいても、活躍の場が与えられず、結局は従来業務に戻ってしまうことがあります。これでは投資対効果が見込めません。

育成後の配置や権限の明確化、プロジェクトへの参画機会の提供など、「実践の場」を用意することが大切です。人材を育てるだけでなく、活かす仕組みづくりも育成と同じくらい重要です。

人材育成の重要性が一部の社員に伝わっていない

人材育成の取り組みが経営層や一部の部署だけで行われ、他の部門には意義が浸透していないケースも多く見られます。特に現場では「目の前の仕事が優先」と感じられがちで、DX人材の育成が軽視されることがあります。

このような場合は、育成によって何が得られるのか、会社や個人にどのようなメリットがあるのかを具体的に示し、社内全体の理解と協力を得ることが求められます。

DX人材の育成には、プロによる研修サービスの導入がおすすめです。
累計4,000社以上の支援実績を持つ「リンプレス」によるDX推進人材育成プログラムの詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。御社の課題に合わせて、最適なカリキュラムをご提案いたします。
リンプレスのDX人材育成支援プログラム

よくある課題を解決|DX人材育成の進め方

DX人材の育成には多くの壁がありますが、以下のような適切なステップを踏めば確実に成果を上げることが可能です。

  1. まずはDX推進戦略を立てる
  2. DXの目的やゴールを全社的に共有する
  3. 自社のDX人材に必要なスキルの洗い出しを行う
  4. DX人材育成のプランを立て、実行する
  5. 育成後も定期的に振り返りと目標設定を行う

重要なのは、育成を単独の施策ではなく、経営戦略の一部として捉え、全社的な仕組みとして実行していくことです。よくある課題を解決するための具体的な育成の進め方をステップごとに紹介します。

1.まずはDX推進戦略を立てる

DX人材育成は、DX推進戦略と一体で設計されるべきです。経営層が中心となり、今後の事業モデルや競争優位性を見据えたうえで、「どのような人材が必要か」「育成によってどの課題を解決するのか」を明確にすることが重要です。

育成施策だけが独立して動くのではなく、戦略の中に位置づけることで、一貫性のある人材育成が実現します。

DX推進計画の立て方は、以下の記事で詳しく紹介しています。
DX推進計画を策定する手順とポイントを徹底解説

2.DXの目的やゴールを全社的に共有する

DX人材育成を組織全体の取り組みとして定着させるには、DXの目的や達成したいゴールを明確にし、全社で共有することが不可欠です。

「なぜ育成が必要なのか」「その結果どんな変化が期待されるのか」を伝えることで、現場の納得感や当事者意識を高められます。定例会議やイントラネット、研修前の説明資料などを通じて、丁寧な情報共有を行いましょう。

3.自社のDX人材に必要なスキルの洗い出しを行う

育成すべき対象と内容を明確にするには、自社にとって必要なスキルセットを具体的に洗い出す作業が重要です。業種・業態によって求められるスキルは異なるため、自社のビジネスモデルやDX戦略に照らし合わせて、優先順位の高いスキルを特定しましょう。この工程を丁寧に行うことで、無駄のない育成計画が立てられます。

DX人材に求められるスキル一覧

DX人材に求められるスキルセットとして、以下が挙げられます。

  • データ活用スキルBIツールの操作、分析結果の解釈

  • プロジェクトマネジメント力:部門横断での推進力

  • IT基礎知識:クラウド・AIRPAの基本理解

  • 課題解決力:業務改善のための構想力と実行力

  • コミュニケーション力:現場と経営をつなぐ伝達力

  • リーダーシップ:変革を牽引するマインドセット

これらはすべての人材に必要なわけではなく、職種や役割に応じて柔軟に定義することが大切です。

4.DX人材育成のプランを立て、実行する

スキル要件が明らかになったら、育成プランを設計して実行に移します。

eラーニング、集合研修、OJT、社外研修など、多様な手法を組み合わせることで効果的な学習が可能になります。また、習得レベルをチェックできる評価制度や、学習の動機づけとなるインセンティブの導入も検討しましょう。実行フェーズでは、育成の進捗管理とフィードバックが欠かせません。

具体的なDX人材の育成方法については、以下の記事で紹介しています。
DX人材を育成する5つのステップ|おすすめの研修プログラムと事例も紹介

5.育成後も定期的に振り返りと目標設定を行う

DX人材の育成は、一度きりで完結するものではありません。環境や戦略の変化に応じてスキル要件も進化していくため、定期的に振り返りの機会を設け、スキルギャップの確認や新たな目標の設定を行うことが必要です。

定期的な1on1面談やスキル評価の更新を通じて、個人の成長と組織の方向性をすり合わせていくことで、育成施策の効果を最大化できます。

DX人材の育成には、プロによる研修サービスの導入がおすすめです。
累計4,000社以上の支援実績を持つ「リンプレス」によるDX推進人材育成プログラムの詳細は、以下のリンクからご覧いただけます。御社の課題に合わせて、最適なカリキュラムをご提案いたします。

リンプレスのDX人材育成支援プログラム

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人材育成に注力しDXを成功させた企業の事例

DXを推進するうえで、体系的な人材育成に取り組んでいる企業の事例は非常に参考になります。ここでは、DX銘柄にも選定された2社の具体的な取り組みを紹介します。

中外製薬株式会社

中外製薬は、全社を挙げてDXに取り組むなかで、特に人材育成を重点施策として位置づけています。同社では、「Chugai Digital Academy」という独自の社内教育制度を構築し、社員のデジタルリテラシー向上を図っています。

また、職種別・階層別に応じたDXスキルマップを策定し、段階的かつ戦略的に人材育成を実施しました。さらに、社内外の研修・ワークショップを組み合わせることで、実務に活かせる知識と経験の習得を推進しています。経営層が率先して学ぶ姿勢を示しており、DXを全社文化へと定着させる点でも模範的な取り組みです。

参考:DX銘柄2023

キリンホールディングス

キリンホールディングスでは、「人と組織の変革」をDXの根幹と捉え、DX人材の育成に注力しています。たとえば、DXビジネスデザイン講座」や「データアナリスト研修」といったプログラムを設け、社員の役割に応じた専門的スキルの習得を支援しました。

さらに、グループ横断的な「デジタル人材ネットワーク」を構築し、学びと実践の場を継続的に提供しています。経営・現場双方の視点から育成計画を設計しており、全社でDX推進力を底上げする仕組みが整っています。

参考:キリングループのDXに関する取り組み

リソース・ノウハウに課題がある場合は外部研修サービスを活用

社内でDX人材を育成しようと思っても、「教える人がいない」「何をどう教えればいいかわからない」といった課題に直面してしまった場合は、外部の研修サービスを活用することで、専門的な知識や効果的な育成メソッドを効率的に取り入れることができます。

特にリソースやノウハウの不足が課題となっている企業にとっては有効な選択肢です。その理由を、以下から詳しく紹介します。

DX推進のプロによる研修が受けられる

外部研修サービスを利用する最大のメリットは、実務経験や最新知識を持つプロフェッショナルから直接学べる点です。

現場で成果を出してきた専門家が講師を務めるため、理論だけでなく実践に根ざした内容を学ぶことができます。自社だけでは得られない視点やアプローチを吸収でき、社員の視野が広がる点も魅力です。また、講師が第三者であることで、社内では気づきにくい課題の指摘やフィードバックも得られます。

社外の参加者との交流が生まれる

公開型の外部研修では、他業種・他業界の参加者と同じ場で学ぶことができ、社外ネットワークの形成や新たな気づきにつながります。

自社内だけでは閉じた視点になりがちなDXの取り組みに対し、異なる背景を持つ人々との交流は大きな刺激となり、視野の拡大や発想の転換にも効果的です。また、似た課題を抱える他社事例を共有できることで、自社の取り組みへのヒントも得やすくなります。

自社の業務に即したカスタマイズができる

外部研修は汎用的な内容だけでなく、自社の業種・業務内容に合わせてカスタマイズできるサービスも増えています。

たとえば、営業部門向け、製造現場向けといった専門性の高いプログラムや、自社の課題をテーマにしたワークショップ形式など、実務に直結した内容に落とし込むことが可能です。これにより、研修内容と日々の業務が結びつきやすくなり、受講者の学習意欲と実践力の向上が期待できます。

DX人材育成ならリンプレスへ

DXを本気で推進するには、それを担う人材の育成が不可欠です。とはいえ、社内にノウハウがない、教育できる人がいない、といった課題を抱える企業も少なくありません。リンプレスでは、そうした企業に向けて「実務で活躍できるDX人材」を育てる支援を提供しています。単なる研修ではなく、戦略立案から社内定着までを視野に入れた伴走型の支援で、DXを内側から進められる組織づくりをサポートします。

ご相談・お問い合わせ

リンプレスの「DX推進人材育成プログラム」

リンプレスの「DX推進人材育成プログラム」では、企業のニーズに合わせて多彩な研修カリキュラムを提供しています。

IT企画の立案力が身につく「IT企画研修」や「デザイン思考研修」などを導入いただけば、自社のDXを推進する人材の育成が可能です。また、全社的にDXスキルと意識を向上させたいというご要望には、「DXリテラシー研修」をご用意しています。

リンプレスには数多くの研修およびコンサルティングを手掛けた経験豊富な講師陣が在籍しており、デジタル・IT​​​​​に関わる全ての人と組織力の強化をサポートします。

DX人材育成支援」について詳しくはこちら

リンプレスの研修でDX人材育成を実施した事例

リンプレスの研修を導入し、DX人材育成を実施した企業の事例を紹介します。

株式会社八十二銀行

株式会社八十二銀行では、自社内にシステム開発部門があり、新しいシステムを作る際は事業部門と開発部門がともに開発を行っています。しかし近年、どちらの部門も多忙となり、意思疎通がうまくいかず手戻りが発生するという課題が発生していました。この原因の一つに、元々の目的の設定と、経営的な視点で論理立てて工程を組み立てることができていない上流工程に問題があるのではないかと考えます。そこで、論理的に課題を整理しながら、企画を進めるフレームワークに沿って学べるリンプレスのIT企画研修を導入いただきました。

結果として、受講者の8割が研修の内容に満足し、9割以上の受講者が実際の業務に役立つと回答していただいたという、大変満足度の高い研修が実施できました。

こちらの事例について詳しくは、以下のリンクからご覧いただけます。
株式会社八十二銀行様の事例|事業部門自らデジタル・IT化を企画し、スピード感のあるDXの実現へ

第一三共株式会社

第一三共株式会社では、業務部門において自ら課題の洗い出しができておらず、システムによってどのようなことを解決したいのかが明確になっていないという問題がありました。業務部門にもIT企画立案力を身につけさせるため、リンプレスのインハウス研修「IT企画研修」を導入いただきました。

リンプレスならではの、実際の業務に近い内容で学べる研修カリキュラムに大変ご満足いただき、参加者から「参考になった」「受講してよかった」というお声を多くいただきました。

こちらの事例について詳しくは、以下のリンクからご覧いただけます。
第一三共株式会社様の事例|現場主導のDXを実現するため、業務部門がIT企画立案の進め方を学ぶ

リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。

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まとめ

DXを推進する上で、人材育成は欠かせない取り組みです。しかし、多くの企業が「育て方がわからない」「忙しくて時間が取れない」「育成しても実務に活かされない」など、共通する課題を抱えています。これらの課題を解決するためには、DX戦略と連動したビジョンの明確化、育成対象とスキルの定義、段階的な学習と実践の場の提供が不可欠です。自社での対応が難しい場合は、外部研修や専門パートナーの活用も効果的です。

実践で活躍できるDX人材を育てる環境を整えたいとお考えなら、ぜひリンプレスにご相談ください。

ご相談・お問い合わせ

<文/文園 香織>

株式会社リンプレス
株式会社リンプレス
2017年に株式会社リンクレアのコンサルティング事業、教育事業を分社化して誕生。企業向けDX人材育成研修やITコンサルティング、内製化支援などを手掛ける。DX推進に必要なIT・システム企画力、プロジェクトマネジメント・リーダーシップ、デザイン思考、データ分析など、様々なラインナップを提供する。講義だけではなく、ワークショップやハンズオン演習を取り入れた実践型研修に強みを持つ。これまでの累計支援企業数は4,000社以上、累計受講者数は15,000名以上に及ぶ。

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