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プロジェクトマネージャーの役割を具体的な仕事内容で紹介

プロジェクトの成否を大きく左右するプロジェクトマネージャー。しかしその役割は一言では説明しきれず、他のリーダー職と混同されがちなこともあります。

本記事では、PMBOKにおける定義をもとに、プロジェクトマネージャーの役割や具体的な仕事内容を整理しながら、プロジェクトリーダーやプロダクトリーダーとの違いについても紹介します。さらに、PMに求められるスキルや育成方法、効果的な研修サービスの活用法まで詳しく解説します。

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プロジェクトマネージャーの役割とは?

プロジェクトマネージャー(PM)の役割は、プロジェクトの開始から完了までを一貫して管理・推進し、目標達成へと導くことです。具体的には、計画の立案、予算・人員の確保、スケジュール管理、リスク対応、成果物の品質保証など多岐にわたります。チームをまとめ上げるリーダーシップと、関係者との調整・交渉を担うコミュニケーション力が問われる重要なポジションです。単に「進行を管理する人」ではなく、成果に責任を持つ統括者としての役割を担います。

PMBOKにおける定義

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)は、プロジェクトマネジメントの国際的な標準であり、プロジェクトマネージャーを「プロジェクトの目標達成に責任を持つ人物」と定義しています。

PMBOKでは、

  1. 統合
  2. スコープ
  3. スケジュール
  4. コスト
  5. 品質
  6. 人的資源
  7. コミュニケーション
  8. リスク
  9. 調達
  10. ステークホルダー

という10の知識エリアをベースに、PMの業務が体系化されています。つまり、PMには技術力だけでなく、全体を俯瞰して管理する包括的なスキルが求められます。

PMBOKについては、以下の記事でも詳しく紹介しています。
PMBOK第7版では何が変わったのか?プロジェクトマネジメントのポイント

プロジェクトマネージャーが担う仕事内容

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの起点から終結までを一貫して統括し、以下のように目標の達成に向けて多様な業務を遂行します。

  • プロジェクト計画・企画の策定
  • チームメンバーの選定
  • チームメンバーのマネジメント
  • チーム外の担当者・ステークホルダーの窓口
  • プロジェクト全体の進捗管理
  • プロジェクトの評価とレビュー

それぞれの仕事内容について、詳しく見ていきましょう。

プロジェクト計画・企画の策定

プロジェクトマネージャーはまず、プロジェクトの目的やゴールを明確にし、それを実現するための計画を立てます。

スケジュール、必要なリソース、コスト、リスク要因などを考慮しながら、実現可能かつ効率的なプランを構築します。この段階での判断が、プロジェクトの成否に直結するため、関係者とのすり合わせや見積もり精度が非常に重要となります。

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チームメンバーの選定

計画に基づき、適切なスキルや経験を持つメンバーを選定するのもプロジェクトマネージャーの役割です。

技術力だけでなく、性格やコミュニケーションスタイル、チーム内での役割分担なども考慮しながら、プロジェクトに最適な体制を組みます。また、必要に応じて外部パートナーやベンダーとの連携も視野に入れ、柔軟な人材確保を行う必要があります。

チームメンバーのマネジメント

プロジェクトマネージャーは、チームが円滑に機能するよう、日々の業務進行をサポート・指導するのも重要な役割です。

目標に向けて各自の役割を明確にし、モチベーションを維持しながら、課題発生時には素早くフォローを行います。メンバー間の連携を高め、成果を最大化するためには、信頼関係の構築と公正な評価・フィードバックが欠かせません。

チーム外の担当者・ステークホルダーの窓口

プロジェクトを成功させるには、チーム内部だけでなく、他部門・顧客・取引先といったステークホルダーとの調整も必要です。

プロジェクトマネージャーはそれらの窓口として、進捗報告や要望調整、契約面の確認などを行います。情報を正確に伝え、相互の認識をすり合わせる力が求められ、信頼構築と対外的な交渉力が成果に大きく影響します。

プロジェクト全体の進捗管理

計画通りにプロジェクトが進んでいるかを常に把握し、必要に応じてスケジュール調整を加えるのもPMの役割のひとつです。

スクの遅延や問題点を早期に発見し、リソースの再配分や優先順位の見直しを行うことで、納期・品質・コストをコントロールします。スケジュール管理ツールや定例会議を活用した情報共有も、進捗管理において不可欠な手段です。

プロジェクトの評価とレビュー

プロジェクト完了後には、成果物の品質やスケジュール・コストの達成度、チームの働き方などを振り返り、今後に活かすためのレビューを行います。成功要因や課題、改善点を明確にし、次回以降のプロジェクトにフィードバックを反映させることが目的です。また、チームや個人に対する評価・表彰も、モチベーション維持と継続的な成長につながります。

プロジェクトマネージャーと似た役職との役割の違い

プロジェクトマネージャー(PM)はプロジェクト全体の責任を負う立場ですが、似た役職としてよく挙げられるのが「プロジェクトリーダー」や「プロダクトリーダー」です。これらは名称が似ているため混同されがちですが、それぞれの役割や責任範囲には明確な違いがあります。適切に区別することで、組織内での役割分担や人材配置の最適化にもつながります。

プロジェクトリーダーとの違い

プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーのもとで実務を担う現場の統率役です。タスクの進行管理やメンバーの指導、問題発生時の初動対応など、日々のプロジェクト運営に密着した役割を果たします。一方で、プロジェクトマネージャーは全体の計画立案・予算・納期・品質など広範なマネジメントを担います。戦略を描くPM、現場を動かすPLという関係性です。

プロジェクトリーダーの仕事内容については、以下の記事で詳しく紹介しています。

プロジェクトリーダーとは?仕事内容から必要な能力まで徹底解説

プロダクトリーダーとの違い

プロダクトリーダーは、特定の「製品(プロダクト)」の価値最大化を目的として、その企画・開発・改善に責任を持つポジションです。プロジェクト単位で動くPMとは異なり、プロダクトのライフサイクル全体に関与し、マーケットやユーザー視点での意思決定が求められます。一方、プロジェクトマネージャーは納期やコスト、リソース管理といった“実行”に重きを置く役割です。

プロジェクトマネージャーに必要なスキル

プロジェクトマネージャーには、計画立案や実行管理といった業務を成功に導くための複合的なスキルが求められます。特に重要なのは、チームをまとめる「マネジメント力」、プロジェクトの技術的背景を理解する「テクノロジーの知識」、全体の方向性を見定める「ビジネス視点」、そして関係者との橋渡しを行う「コミュニケーション能力」です。これらをバランスよく備えていることで、的確な判断と成果を導くことが可能になります。

プロジェクトマネージャー必要なスキルについて、詳しく紹介します。

マネジメント力

マネジメント力とは、チームの目標達成に向けて人・モノ・時間・情報を最適に配分・管理する能力です。プロジェクトマネージャーには、メンバーの能力を見極めて適切に役割を割り振り、進捗を管理しながら、必要に応じて軌道修正する力が求められます。

また、メンバーのモチベーション維持やリスク対応もマネジメントの一環であり、柔軟性と判断力が問われるスキルです。

社員のマネジメント力を伸ばす研修について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

プロジェクトマネジメントスキルが身につく研修プログラムを紹介

テクノロジーに関する知識と経験

特にITや製造分野では、技術に関する一定の理解がなければプロジェクトを的確にマネジメントすることは難しくなります。

プロジェクトマネージャーには、専門家ほどの深い知識は求められないものの、基本的な技術用語やプロセス、システム構成への理解が必要です。技術面での判断材料を持つことで、エンジニアや開発チームとスムーズに連携でき、質の高い成果につながります。

ビジネスに関する知識

プロジェクトは企業の戦略や売上に直結する活動です。プロジェクトマネージャーには、業界の動向、顧客のニーズ、事業のKPIなど、ビジネスの全体像を理解しながら判断する力が求められます。収益性やコスト意識、法的な視点なども重要であり、経営目線を持ったうえでプロジェクトを動かすことが、真に成果を出すマネージャーに必要な資質となります。

コミュニケーション能力

プロジェクトには多くの関係者が関与するため、情報を正確に伝える力と、相手の立場を理解するコミュニケーション能力が重要です。チームメンバーへの指示出し、他部署やクライアントとの調整、上層部への報告など、場面ごとに最適な伝達手段や表現力が求められます。

また、チームメンバーと信頼関係を築くうえでも、オープンな対話やフィードバックを意識した日常的なコミュニケーションが鍵となります。

プロジェクトマネージャーを育成する方法

プロジェクトマネージャーを獲得するには、外部リソースを活用する、中途採用を行うといった方法がありますが、定着率や採用にかかるコストを考えると、社内人材の育成がおすすめです。

プロジェクトマネージャーを育成する方法として、以下が挙げられます。

  • OJT

  • 社内研修

  • 資格取得の奨励

  • 外部研修サービスの活用

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

OJT

OJT(On the Job Training)は、実際のプロジェクトに携わりながら経験を積む最も基本的な育成方法です。小規模プロジェクトのサブマネージャーや担当者として関与させることで、計画立案から進捗管理、関係者調整までの実務を段階的に体験できます。

現場の生きた課題に直面することで、臨機応変な判断力や実行力が鍛えられるでしょう。経験豊富な先輩からのフィードバックがあると、より効果的な成長が期待できます。

ただし、OJTトレーナーとなる先輩社員の教育スキルによって育成のムラが発生しやすかったり、業務が忙しいとOJTトレーニーが放置されやすくなってしまうといった課題があります。

社内研修

社内研修は、企業の方針やプロジェクトの特性に合わせた内容で教育を行えるのがメリットです。マネジメントの基本やツールの使い方、実際にあったプロジェクトの成功・失敗事例を取り上げることで、自社に合った実践的な知識を身につけられます。

また、他部署の社員と交流しながら学ぶ機会を設ければ、横のつながりを強化する効果も期待できます。一方で、社内のリソースを圧迫してしまうことや、研修プログラムの設計には長期的な取り組みが必要となることは留意しておきましょう。

資格取得の奨励

体系的な知識を身につける手段として、プロジェクトマネジメント関連の資格取得を支援するのも有効です。たとえば、IPAの「プロジェクトマネージャ試験」やPMIの「PMP」は、グローバルにも認知された資格であり、取得に向けた学習を通じてスキルの整理と強化が図れます。受験費用や勉強時間の補助制度を整えることで、社員のモチベーションアップにもつながります。

外部研修サービスの活用

実務に即したスキルを効率よく学ばせたい場合には、外部の研修サービスを活用するのがおすすめです。

実績ある講師による体系的な指導や、他社の参加者とのグループワークを通じて、自社内だけでは得られない新たな視点やノウハウが得られます。特に、リンプレスのような体験型のプログラムは、実践力のあるプロジェクトマネージャー育成に効果的です。外部研修サービスを活用することで、社内のリソースを圧迫せず、質の高いPM育成が行えます。

プロジェクトマネージャーを育成するなら「リンプレス」

プロジェクトマネージャーを実践的に育てたい企業には、リンプレスの研修プログラムが最適です。

単なる知識の習得にとどまらず、現場で必要とされる判断力・リーダーシップ・調整力を、仮想プロジェクトを通じて身につけられるのが特長です。新任PMから中堅層まで、対象者のレベルに応じて最適なプログラムが用意されており、企業ごとの課題や業種に合わせたカスタマイズも可能です。確実に行動変容を促す研修として、多くの企業で導入が進んでいます。

リンプレスの研修プログラムを紹介

リンプレスでは、目的に応じて選べる2つの研修プログラムを提供しています。1つは、1日でプロジェクトマネジメントの基本を網羅する「PL教室」です。マネジメント未経験者や新任PM向けに、必要な知識と考え方を効率よく学べます。

もう1つは、4日間の実践型研修「TREND-PL®」です。模擬プロジェクトを通じて、実際の現場さながらの環境で意思決定力やチーム運営力を養う内容です。現場力を重視する企業に非常におすすめです。

リンプレスの「プロジェクトリーダー研修」について詳しくはこちら

DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。

リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。

まとめ

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画、チーム編成、進捗管理、関係者対応など、あらゆる業務を統括する重要な存在です。プロジェクトリーダーやプロダクトリーダーとの違いを理解し、必要なスキルを着実に習得することで、より質の高いマネジメントが可能になります。育成においては、OJTや資格取得に加え、実践的な外部研修の活用も効果的です。

「リンプレス」は、即戦力PMの育成に最適な研修プログラムを提供しています。マネジメントクラスの人材育成にお困りの企業は、ぜひリンプレスにご相談ください。

ご相談・お問い合わせ

<文/文園 香織>

株式会社リンプレス
株式会社リンプレス
2017年に株式会社リンクレアのコンサルティング事業、教育事業を分社化して誕生。企業向けDX人材育成研修やITコンサルティング、内製化支援などを手掛ける。DX推進に必要なIT・システム企画力、プロジェクトマネジメント・リーダーシップ、デザイン思考、データ分析など、様々なラインナップを提供する。講義だけではなく、ワークショップやハンズオン演習を取り入れた実践型研修に強みを持つ。これまでの累計支援企業数は4,000社以上、累計受講者数は15,000名以上に及ぶ。

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