
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違いをわかりやすく解説
プロジェクトを推進するうえで中心的な存在となるのが、プロジェクトリーダー(PL)とプロジェクトマネージャー(PM)です。
両者はともに組織の成果を左右する重要なポジションですが、その役割や責任範囲、求められるスキルには明確な違いがあります。しかし現場では、「PLとPMの違いがわかりにくい」といった声も少なくありません。
この記事では、役割・仕事内容・責任・スキルという4つの視点からPLとPMの違いをわかりやすく整理し、それぞれの役割を活かしたプロジェクト運営のヒントや人材育成のポイントについても解説します。
DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。
リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーの違いを4つの視点で紹介

プロジェクトを円滑に進めるためには、チームの中心となる役職が明確に機能することが重要です。その中でも混同されやすいのが「プロジェクトリーダー」と「プロジェクトマネージャー」です。
両者の違いを明確にし、役割を正しく理解できるように以下の4つの視点から比較・解説します。
- プロジェクトにおける役割の違い
- 仕事内容の違い
- プロジェクトにおける責任の違い
- 求められるスキルの違い
組織内での役割分担や、育成方針を見直す際の参考にしてみましょう。
1.プロジェクトにおける役割の違い
プロジェクトには、目標達成に向けた明確な役割分担が必要です。プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーは、どちらも中心的な存在ですが、その立ち位置と求められるスキルは異なります。まずはそれぞれが担う役割について、実務的な視点から詳しく見ていきましょう。
- プロジェクトリーダー(PL)
プロジェクトリーダーの役割
プロジェクトリーダーは、チームの最前線に立ってメンバーを牽引する存在です。実務にも深く関わり、専門的な知見を活かして課題解決に取り組む点がマネージャーとの違いです。技術的な判断や現場での調整を行いながら、メンバーの士気を高める重要な役割を担っています。
上位の方針に従いつつ、チームをまとめるハンズオン型のリーダーと言えるでしょう。
プロジェクトリーダーの役割については、以下の記事で詳しく紹介しています。
プロジェクトリーダーとは?仕事内容から必要な能力まで徹底解説
- プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーの役割
プロジェクトマネージャーは、全体の進捗管理・予算・スケジュール・リスク対応など、プロジェクトの遂行を統括するポジションです。関係各所との調整や、上層部への報告責任も担います。現場の詳細に踏み込むよりも、プロジェクト全体を俯瞰し、計画通りに進行させるマネジメントが主な役割です。
プロジェクトマネージャーの役割については、以下の記事でも詳しく紹介しています。
プロジェクトマネージャーとは?役割と必要な能力・育成のポイントを解説
2.仕事内容の違い
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーは、どちらもプロジェクト推進に欠かせない存在ですが、日々の業務内容には明確な違いがあります。
プロジェクトリーダーは現場レベルでの実務が中心であるのに対し、プロジェクトマネージャーはより上流工程での管理業務を担います。ここでは、それぞれの仕事内容について、より具体的に見ていきましょう。
- プロジェクトリーダー(PL)
プロジェクトリーダーの仕事内容
プロジェクトリーダーの主な仕事は、開発や制作などの現場業務を遂行しながら、チーム内のタスクを調整し、品質や納期を守ることです。技術的な指導やレビュー対応、メンバーのフォローなども含まれ、プレイングマネージャー的な役割を果たします。
プロジェクトマネージャーが立てた計画を実行に移す、現場の中心的存在です。
- プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーの仕事内容
プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの計画立案から予算管理、スケジュール調整、リスク管理、品質保証、顧客対応までを幅広く担当します。メンバーの作業進捗を確認しつつ、関係者間の調整を行い、プロジェクト全体が滞りなく進むよう統括します。
業務はマネジメント領域に集中し、実作業には直接関与しないケースも多くあります。
3.プロジェクトにおける責任の違い
プロジェクトが成功するかどうかは、関係者それぞれの責任感と判断にかかっています。特にリーダーとマネージャーの役職には、期待される責任の重さに違いがあります。
ここでは、両者がどのような責任範囲を持ち、どこまでプロジェクトの成否に対して責任を負うのかについて解説します。
- プロジェクトリーダー(PL)
プロジェクトリーダーの責任の範疇
プロジェクトリーダーは、主に担当するチームや作業領域の中で発生する課題や成果物に対して責任を持ちます。納期や品質の達成に向けてチームをまとめ、現場の問題を迅速に解決する役割が求められます。
ただし、プロジェクト全体の成否に対して最終的な責任を負う立場ではなく、あくまでチーム単位での実行責任が中心です。
- プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーの責任の範疇
プロジェクトマネージャーは、プロジェクト全体の成果に対して責任を負う立場です。納期遅延やコスト超過、品質問題などが発生した際には、その原因を把握し、対応策を講じることが求められます。また、経営層やクライアントに対して説明責任も果たす必要があり、非常に高いマネジメント能力とリスク対応力が問われます。
4.求められるスキルの違い
プロジェクトの現場を動かすうえで、リーダーとマネージャーには異なる能力が求められます。実務に強くチームを支えるプロジェクトリーダーと、全体をマネジメントするプロジェクトマネージャーは、それぞれの役割に応じて重視すべきスキルセットが異なるため、適材適所の人材配置が成果を左右します。
- プロジェクトリーダー(PL)
プロジェクトリーダーに求められるスキル
プロジェクトリーダーには、技術力や業務知識に加えて、チームを動かすためのコミュニケーション能力や現場調整力が求められます。メンバーがつまずいたときのフォローや、課題発見・解決を迅速に行う判断力も不可欠です。また、自身も手を動かす場面が多いため、実務スキルの高さが信頼に直結します。
プロジェクトリーダーに必要なスキルを伸ばすための研修については、以下の記事で詳しく紹介しています。
プロジェクトリーダー研修の内容とは?効果的な実施のポイントを詳しく解説
- プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーに求められるスキル
プロジェクトマネージャーには、計画策定や進捗管理、リスクマネジメントなど、全体を俯瞰する力が求められます。関係者との折衝力やプレゼンテーション能力、数値や工程を管理するスキルも必須です。さらに、プロジェクトの方針を決める立場として、意思決定力と責任感のあるリーダーシップが求められます。
プロジェクトマネージャーの育成に特化した研修の実施方法については、以下の記事で詳しく紹介しています。
プロジェクトマネージャー研修とは?おすすめの研修プログラムを紹介
PLとPMの違い|よくある質問
プロジェクトリーダー(PL)とプロジェクトマネージャー(PM)の違いについて理解を深めていくと、実際のキャリアや役職の関係性に関しても疑問が生まれることがあります。
ここでは、研修の現場でもよく寄せられる3つの質問を取り上げ、それぞれの実態や一般的な傾向をわかりやすく解説します。
プロジェクトリーダーとプロジェクトマネージャーを兼任することはある?
特に中小規模のプロジェクトでは、PLとPMを同じ人物が兼任するケースも少なくありません。人員やコストの制約がある場合、一人で実務と管理の両方を担う必要があるためです。
ただし、大規模プロジェクトでは役割分担が明確になり、兼任は避けられる傾向があります。業務負荷やスキルに応じて柔軟に体制が組まれるのが一般的です。
プロジェクトマネージャーより上の役職は?
プロジェクトマネージャーの上位には「PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)責任者」などが存在します。
これらの役職は、複数のプロジェクトを統括・監視し、経営方針と整合させる役割を担います。PMが現場単位でのマネジメントを行うのに対し、上位職は組織全体のプロジェクト戦略を管理する立場です。
PM・PLになるには何年かかる?
PLやPMになるまでの期間は、個人のスキルや企業の人事制度、業界によって大きく異なりますが、目安としては3〜5年程度の実務経験が必要とされることが多いです。技術力に加え、コミュニケーション力や判断力が求められるため、若手のうちからプロジェクトに関与し、マネジメント視点を養うことがキャリアアップへの近道です。
PMとPLの役割分担がプロジェクト成功の要
プロジェクトが成功するか否かは、プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの適切な役割分担に大きく左右されます。
両者がそれぞれの責任範囲を理解し、連携しながら業務を遂行することで、現場と全体がうまく機能します。逆に、役割が曖昧なままだと、意思疎通のミスや責任の所在不明などが原因で、プロジェクトは停滞しやすくなります。明確な役割設計と育成体制が、成功の鍵となるのです。
マネージャー・リーダー層を育成するには
PM・PLのような中核人材を育成するには、単なるOJTのみでは不十分です。まず必要なのは、役割に応じたスキルマップの整備と、段階的な育成プログラムの構築です。
例として、PLには技術力とチームマネジメントの訓練、PMにはリスク管理や予算・進捗の統括能力が求められます。ケーススタディやロールプレイを取り入れた実践型研修を導入することで、実務に即したリーダーシップを磨くことが可能です。
PM・PLを育成する研修なら「リンプレス」
プロジェクトの上流工程を担うPM・PLには、現場経験だけでなく、戦略的思考やマネジメントスキルが求められます。
リンプレスでは、実務に直結する研修を通じて、計画立案・進捗管理・チーム運営などの力を段階的に習得できる育成支援を提供しています。企業ごとの業務や課題に合わせたカスタマイズ性も高く、自社の状況に合わせた柔軟な人材育成が可能です。
リンプレスによる研修の導入は、上流工程人材の強化に課題を感じている企業様にとって、最適なソリューションとなります。
リンプレスのPM・PL育成研修を導入した企業の事例
株式会社キタムラは、全国に1,000店舗以上を展開する写真映像事業の大手企業です。
同社はDX推進に向けた人材育成に課題を抱えており、特に「デジタルを活用した顧客サービスの向上」と「IT戦略の社内浸透」が大きな課題でした。従来の社内研修では、現場での実践的なスキルが不足し、「攻めのIT」を目指すDX推進のスピードに追いつけない状況にありました。
そこで、リンプレスの「顧客分析研修」「プロジェクトリーダー実践研修」「IT・システム企画実践研修」を導入します。対面形式かつカスタマイズ性が高い研修を通じて、実践スキルが身についただけではなく、他社のSEとの交流を通して学ぶことができたと大変ご満足いただけました。
こちらの事例について詳しくは、以下のリンクからご覧いただけます。
株式会社キタムラ様の事例_実践型研修を通じて「カメラのキタムラ」のDX推進人材育成を支援
その他の、DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。
リンプレスでは、DX推進人材を育成する研修プログラムと、DXの内製化をサポートするコンサルティングを提供しています。自社のDX推進にお困りの方はぜひご相談ください。
まとめ
プロジェクトの成功には、プロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーの明確な役割分担と連携が欠かせません。それぞれの仕事内容や責任、必要なスキルを正しく理解し、適材適所で人材を配置することが重要です。あわせて、PLやPMを担う人材の計画的な育成も欠かせません。組織の将来を見据えた育成体制を整えることで、プロジェクトの品質とスピードを大きく向上させることができます。
リンプレスのように、体験型プログラムやフィードバックを重視したカリキュラムを導入すれば、研修の効果を確実に現場へつなげることができます。これからの時代に求められるリーダー像を、今こそ社内で育てましょう。
リーダー人材の育成にお悩みの方は、ぜひリンプレスにご相談ください。
<文/文園 香織>