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デジタル時代のIT部門の新たな役割とは


目次[非表示]

  1. 1.いま、IT部門の変革が求められている理由
  2. 2.IT部門を取り巻く環境の変化と実態
  3. 3.IT部門の人材を確保・育成していくための取り組み


いま、IT部門の変革が求められている理由

従来のIT部門の主な役割と言えば、社内システムの企画/開発/保守運用、社内インフラ環境の整備などがありました。

しかし、各社がDX実現に向けて様々な取り組みを進める中、社内のIT部門に対して経営層やビジネス部門(ユーザ)が期待する役割も徐々に変わりつつあります。

IT部門の変革が求められている理由はいくつかありますが、主な理由は以下の通りです。

  • テクノロジーの進化とDXの加速

    • 近年、新たなテクノロジーやデジタルツールの進展により、業務やビジネスモデルが大きく変わりつつあります。それに伴い、IT部門もビジネス環境の変化に迅速に対応し、ITの専門家的視点に立って自社のDXをリードすることが求められています。


  • データの重要性の増加

    • 昨今では、データが組織における最も貴重な資産の1つとして認識されるようになり、データの分析や活用がビジネス成功の鍵となっています。IT部門はアナログ・物理データのデジタルデータ化等を通じて、企業がデータを適切に活用してビジネスの意思決定ができるようサポートし、成果を最大化するための基盤を提供する必要があります。

  • セキュリティ脅威の増加

    • デジタル化が進むにつれて、セキュリティの脅威も増加しています。昨今では、現場主導のDXに取り組む企業も増えているため、IT部門は会社の機密情報や顧客のプライバシーを守るために、自社のセキュリティ対策やインフラ環境を強化する役割も期待されています。

これらの理由から、IT部門は既存システムを安定運用するといったような従来型の役割に加え、経営層やビジネス部門に寄り添いながら、これまでの知見やノウハウを活かしてビジネスのイノベーションや成長をリードするという重要な役割を果たすために変革が求められています。

IT部門を取り巻く環境の変化と実態

デジタル・ITを駆使してビジネス価値を生み出す組織への変革を期待されているIT部門ですが、現状ではIT部門がDXに代表されるビジネスモデルや業務改革までしっかりと貢献できている企業はごく少数というのが実態ではないでしょうか。

実際に日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が2023年に報告した調査によると、従来のIT組織の主な役割である「システムの安定稼働に十分貢献できている」といった回答が30%以上あった一方で、「事業創造やビジネス面の変革(DX等)に十分貢献できている」といった回答はわずか2.8%といった結果が出ています。


前述の通り、昨今では事業部門が主体となった開発やクラウドをはじめとする外部システム・ツールの活用が積極的に進んでいます。

現場主導のDX推進を技術的な側面からリードしていくためにも、IT部門も企画段階からプロジェクトに参画し、戦略実現に必要な業務プロセスとITソリューションを現場と一緒に考えていくことが重要です。

また、IT部門や情報子会社などのIT組織において今後重視される人材は「運用管理・運用担当」「インフラ・ネットワーク担当」といった従来のIT部門の役割から、「IT戦略担当」「DX推進担当」「業務改革推進・システム企画担当」「データ分析担当」といった自社のDX推進に関わる人材タイプへと徐々にシフトしています。

この結果からも分かるように、これからのIT部門は従来の役割に加えて、ビジネスへの直接的な貢献がより強く求められています。

こういった背景もあり、昨今ではIT部門の要員確保・育成に向けた取り組みを強化する企業が増えています。

引用:企業IT動向調査2023(一般社団法人 日本情報システム・ユーザー協会)



IT部門の人材を確保・育成していくための取り組み

今後IT組織が重視する人材タイプが大きく変化していくことに伴い、プロジェクトマネジメントやビジネス視点での業務改革の提案を重視したプログラムを取り入れるなど、すでにIT人材の育成方針や教育カリキュラムを変更する企業も増えてきています。

また、IT要員を確保するための手段としては「人材採用」「外部企業・人材の活用」「既存社員の再教育(リスキリング)」「既存社員の部門間でのローテーション」などが行われています。

ただ、「人材採用」については各社が人材確保のために中途採用を強化しており、なかなか思うように採用が出来ないのが現状です。

そこで昨今では、事業部門からIT部門への異動によって人材を確保する企業が増えています。
現場出身の人材は、外部ベンダやIT部門よりも自社の業務やビジネスに精通しているため、DX関連プロジェクトの実行において大きな戦力となります。


しかし、異動した人材はそのまま即戦力になるわけではないため、まずはデジタル・ITの基礎知識やITプロジェクトの全体像を理解してもらう取り組みが欠かせません。

その一環として、研修やOJTトレーニングの実施があります。
ただ、実際は異動者向けの研修を用意することや、実プロジェクトに参画しながらOJTトレーニングを実施することは難しいという声もよく耳にします。


そのような中で、IT部門への異動者向け教育の実施事例として、当社がご支援させていただいたコープデリ生活協同組合連合会(以下、コープデリ連合会)様の事例をご紹介いたします。

コープデリ連合会様では、これまで宅配センターや店舗業務を担当してきた職員の方を新たに情報システム部門へ異動させる取り組みを行っています。

そのようなIT未経験の方に対してITの基礎知識やITプロジェクトはどのように推進していくかを理解してもらうため、リンプレスが提供するIT基礎トレーニング「Linpress Academy」を活用いただきました。


本事例の詳細については下記ページをご覧ください。


IT基礎トレーニングコース「Linpress Academy」の詳細はこちらからご覧ください。

▼詳細を見る
https://www.linpress.co.jp/linpress_academy

森田 晋之介
森田 晋之介
株式会社リンプレス セールス&マーケティング事業部  株式会社リンクレアに営業職として入社。リンプレス入社後はインサイドセールスやマーケティングを担当し、現在は主にマーケティングを担当。

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