DXを主導するプロジェクトリーダー人材育成の重要性
目まぐるしいスピードで変化する現代社会において、DXによるビジネスモデルや組織の変革は市場で生き残るために避けては通れない大きな経営課題となっています。
DXを推進していくことで市場のニーズに迅速に対応できるようになるなど様々なメリットが得られます。しかし、DXプロジェクトは様々なステークホルダーや活用技術が複雑に絡むため、その推進が非常に難しく、最終的に思うような成果を得られず失敗してしまうケースも多いとされています。
こうした状況の中、いま多くの企業がDXプロジェクトを推進できる人材(=プロジェクトリーダー)の育成に力を入れ始めています。
本記事では、DXを推進するプロジェクトリーダーの重要性やどのように育成するべきかを詳しく解説します。
リンプレスではプロジェクトリーダー育成研修を実施しています。ぜひご覧ください。⇒プロジェクトリーダー研修紹介資料を見る(無料)
目次[非表示]
プロジェクトリーダー人材の育成が求められる背景
昨今、プロジェクトリーダーの育成が求められる背景として、DXプロジェクトの複雑性とプロジェクト量や規模自体が増えていることが考えられます。
DXプロジェクトは企業のあらゆる側面にわたる変化/変革を伴います。そうしたプロジェクト自体の難易度が高まる中で、プロジェクトリーダーは社内外の複数のステークホルダーを調整し、プロジェクト全体を統括する役割を果たす必要があります。
このような背景から、DXを推進する企業においてプロジェクトリーダーに対する期待が高まり、組織全体でのDXの成功に向けたリーダーシップと専門知識を身につけたプロジェクトリーダー人材の育成が喫緊の課題となっています。
プロジェクトリーダーの役割
前述の通り、DXのプロジェクトでは業務やビジネスモデル自体の変革が求められることもあり、プロジェクト体制が大きくなりやすい(複数のステークホルダーがプロジェクトに関わる)という特徴があります。
また、求められる成果も単なる業務の自動化・効率化に留まらず、組織全体の生産性向上や新たなビジネスモデルの改革となるため、プロジェクト自体の難易度や複雑さが高まっていると考えられます。
このようなDXプロジェクトを推進するプロジェクトリーダーには、これまで以上に多岐にわたる役割が求められるでしょう。以下に、主要な役割をいくつか挙げてみます。
- デジタル戦略の策定:
プロジェクトリーダーは組織のビジョンとDXの目標を理解し、それに基づいたプロジェクト計画を策定する役割があります。ビジネス目標とデジタル・ITを結びつけ、プロジェクトの方向性を定めます。
- プロジェクトマネジメント:
プロジェクトリーダーはプロジェクト全体を計画し、実行し、監視する役割を果たします。スケジュールや予算、リスク管理などを適切に管理し、プロジェクトの円滑な進行を確保します。
- ステークホルダーとのコミュニケーション:
プロジェクトリーダーは社内外のステークホルダーと積極的にコミュニケーションを取ります。組織内部や顧客、パートナーとの調整を図り、プロジェクトの進捗に関する情報を適切に共有します。
- リーダーシップとチームビルディング:
プロジェクトリーダーはプロジェクトチームをまとめ、協力させる役割を果たします。メンバーの強みを活かし、共通の目標に向けて動機づけることが求められます。また、チームメンバーの育成やスキル向上をサポートすることも重要です。
-
新技術の導入:
DXプロジェクトでは新しいテクノロジーの導入が不可欠です。プロジェクトリーダーは最新のトレンドや技術に敏感であり、組織に適した技術を選定し、効果的に導入する役割も求められます。
プロジェクトリーダーは主にこれらの役割を適切に果たすことが求められるため、単にプロジェクト管理技法やツールを駆使するだけではプロジェクトを成功に導くことは出来ません。
プロジェクトリーダーは複数のステークホルダーを巻き込みながら、様々な局面でプロジェクト状況を的確に把握し、適切に決断・交渉・調整を行うといったプロジェクト推進力が重要と言えます。
プロジェクトリーダーに求められる「プロジェクト推進力」とは
この章ではプロジェクトリーダーに求められる「プロジェクト推進力」について解説します。
プロジェクト管理力とプロジェクト推進力は、プロジェクトにおける役割や焦点が異なる点で違います。以下に、それぞれの特徴と違いを説明します。
プロジェクト管理力:
特徴:プロジェクト管理力は、プロジェクトを計画し、組織し、実行する能力を指します。計画や予算の策定、スケジュール管理、リスク管理、品質管理など、プロジェクト全体を適切にマネジメントする力が含まれます。プロジェクト管理技法としてPMBOKやCMMIといったものが代表的です。
焦点:主にプロジェクトの進行や成果物の品質、予算・スケジュールの遵守など、プロジェクト全体の管理に焦点があてられます。
プロジェクト推進力:
特徴:プロジェクト推進力は、プロジェクトが設定された目標や戦略に向けて進捗させる力を指します。問題が起きたときに柔軟に対応する課題解決力や、チームの状況を的確に把握するヒアリング力、必要な組織や人とのネゴを行う調整力などが含まれます。
焦点:主にプロジェクトが目指すビジョンや目標に向けて、関係者と協力し、変革を促進すること(他者との関わりの中で発揮される)に焦点があてられてます。
性質の違い:プロジェクト管理力は主に計画や実行に関するタスクに関連していますが、プロジェクト推進力はビジョンの伝達や変革の促進など、人間関係や組織文化に影響を与えるタスクに関連しています。
スキルの違い:プロジェクト管理力は計画や予算管理、リスク管理などのマネジメントスキルが中心です。一方で、プロジェクト推進力はリーダーシップ、コミュニケーション、決断・交渉などのヒューマンスキルが中心です。
成功するプロジェクトリーダーは、両方の側面をバランスよく発揮できることが望まれます。
このうち、プロジェクト管理力については個人で勉強、あるいは練習を重ねることである程度の習得が可能であるとされています。
例えば、PMBOKを駆使できるようになるには、書籍や研修を通じて勉強することで一定の能力を獲得することが可能となります。
一方、コミュニケーションやリーダーシップといったスキル・能力は書籍等で手順や手法を学んだとしても、実際にそれが相応しい行動であるかは実行してみなければ分かりません。
このようなスキル・能力は、以下のように、まず「やってみる(Do)」、そして振り返り(Look〜Think)が可能になり、それが成長(Grow)につながります。
即ちプロジェクトリーダーに必要なコミュニケーションやリーダーシップといった能力は実践の場を通じて磨かれるということです。
当社では、このプロジェクト推進力を磨くための実践の場として、仮想プロジェクトを題材とした実践・体験型のプロジェクトリーダー研修プログラムを提供しています。
実践・体験を通してプロジェクト推進力を磨くDXリーダー育成プログラム
TREND-PLでは仮想プロジェクトを題材に、プロジェクトリーダーに求められるプロジェクト推進力、コミュニケーションやリーダーシップを体験学習を通じて習得していきます。
この仮想プロジェクトでは「あなたは○○プロジェクトのPLに任命されました」という時点からスタートし、
プロジェクトの①準備段階 ②発足段階 ③進行段階の3つの局面で、プロジェクトリーダーとしてやるべきことは何か、問題・課題をどう対処していくかを体験学習していきます。
また、本研修のなかでは業種・業界の異なる参加者同士で行う実践的なグループワークや、チームビルディング、自分自身のリーダーシップ診断、行動スタイル診断を取り入れています。
詳しい内容についてはこちらの資料で紹介しています。ぜひご覧ください。
https://www.linpress.co.jp/download/project-leader