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「データ活用」がDXに不可欠な理由とは?その関係性と期待できる効果を解説

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、現代のビジネスにおいてますます不可欠な要素となっています。企業が持つデータは、このDXの鍵を握っており、データを適切に活用することは企業の競争力を維持し、成長を実現するために不可欠です。

本記事では、なぜデータ活用がDXに不可欠なのか、その重要性と具体的なメリットについて探求していきます。

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DX=データ活用ではない!その違いとは

経済産業省が発表した『DX推進ガイドライン』において、DXは

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

と定義されています。

つまり、DXを推進するうえでデータやデジタル技術の活用は不可欠となります。しかし、「DX=デジタル化」ではないことと同じように「DX=データ活用」ではありません。

製品やサービス、ビジネスモデルを変革するための“手段”としてデータを適切に収集、分析し、活用していくことが重要となります。

AmazonやNetflix等のDX成功企業の多くがデータを駆使して飛躍的な成長を遂げたように、DXで成果をあげるためにはこれまでの経験や勘などの主観的な判断から、データに基づいた客観的な判断へと変革することが必要不可欠と言えます。

DX推進にデータ活用が重要な理由とは?

DXを成功させるには、単にデジタルツールを導入するだけでなく、「データを使って意思決定や価値提供の質を高めること」が不可欠です。データは企業活動の現状を可視化し、改善ポイントや新たなビジネスチャンスを見極める基盤となります。

つまり、データ活用はDXの土台であり、業務効率化から顧客価値の向上、新規事業の創出まで、あらゆる変革の源泉となる要素です。ここでは、データ活用がDX推進に欠かせない理由を3つの観点から解説します。

サービスの質を高め市場での競争力を強化するため

顧客の行動データや利用履歴を分析することで、企業はより精度の高いサービス改善や最適な提供方法を導き出せます。

たとえば、顧客のニーズを予測して最適な提案を行うパーソナライズ施策や、業務データからボトルネックを特定してサービス品質を向上させる取り組みなどが挙げられます。

データを活用した改善は効果測定がしやすく、改善サイクルのスピードも向上します。また、市場の変化に柔軟に対応できるようになるため、競合との差別化にもつながり、持続的な競争優位を築くうえで大きな力となります。

データドリブンな経営を実現するため

経験や勘に頼った判断では、変化の激しい市場に対応しきれません。データドリブン経営とは、データに基づいて意思決定を行う経営スタイルであり、DX推進の中心となる考え方です。

売上、顧客動向、業務効率などの可視化されたデータを基に分析することで、判断の精度を高め、経営リスクを大幅に軽減できます。また、データを全社で共有することで部門間の連携がスムーズになり、施策の整合性も高まります。ビジネスのスピードが求められる現代において、データドリブン経営は企業の成長戦略に欠かせない要素です。

新たな価値を創出するため

データ活用は、既存業務の最適化だけでなく、新たな価値やサービスを生み出す源泉にもなります。顧客行動データから隠れたニーズを発見し、新商品・新サービスの企画につなげるケースは多くの企業で見られます。

また、予測分析やAIモデルの活用により、これまで対応できなかった課題の解決や、新しいビジネスモデルの創出が可能になります。さらに、蓄積したデータを外部のパートナーと連携して活用することで、新規事業の共創にも発展します。データは企業の資産として進化し、DXの最終的な目的である「価値変革」に直結します。

実際に活用されるデータの例

では、実際にDX推進に活用する「データ」はどういったものがあるのでしょうか。
実際に収集しやすいデータは以下のようなものが挙げられます。

●顧客データ:

  • 顧客の個人情報(名前、住所、電話番号)
  • 購買履歴
  • ウェブサイトの行動データ(ページビュー、クリック、コンバージョン)
  • ソーシャルメディアのインタラクションデータ
  • 顧客フィードバックやアンケートデータ

●販売データ:

  • 製品情報(SKU、価格、在庫状況)
  • 売上データ(数量、金額、地域別)
  • セールスチャネル別の売上データ
  • セグメンテーションデータ(新規顧客、リピーターなど)

●在庫データ:

  • 商品在庫レベル
  • 在庫の移動と売上の履歴
  • サプライチェーンデータ(納品スケジュール、運送情報)

●ウェブサイトとアプリのアクセスデータ:

  • ページビュー、ユーザー訪問数、滞在時間
  • ユーザーのデバイス情報
  • サイト内検索データ
  • コンバージョン率、バウンス率

●センサーデータ:

  • IoTデバイスからのセンサーデータ(気象データ、温度、湿度、位置情報)
  • 製造プロセスのセンサーデータ
  • 車両トラッキングデータ

●ログデータ:

  • サーバーログ、アプリケーションログ
  • ネットワークトラフィックデータ
  • セキュリティログ
  • イベントログ

●ソーシャルメディアデータ:

  • ソーシャルメディアプラットフォーム上の投稿とコメント
  • ハッシュタグの使用
  • インフルエンサーマーケティングデータ

●ファイナンシャルデータ:

  • 収益、費用、利益と損失(P&L)データ
  • 資産と負債のデータ
  • 株式市場データ、為替レート

●クレジットカードトランザクションデータ:

  • 顧客の購買データ
  • 不正利用の検出

●ヘルスケアデータ:

  • 患者データ(診療履歴、診断、処方箋)
  • 医療機器からのセンサーデータ
  • クリニカルトライアルデータ

これらは一般的なデータの例であり、データ分析の対象となるデータは業界やビジネスに応じて異なります。

データ分析は、これらのデータから有益な情報と洞察を抽出し、戦略的な意思決定やビジネスプロセスの最適化に役立てるために行われます。

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DX推進のためのデータ活用のステップ

データ活用は、一気に高度な分析に取り組むのではなく、段階的なステップを踏むことで成果が出やすくなります。まずは現状を正しく把握し、データが扱える環境を整えることが重要です。

そのうえで、データの取得・管理、分析・活用へと進み、最終的にはデータに基づいた意思決定を組織文化として根付かせます。ここでは、企業がDX推進のために実践すべきデータ活用の流れを4つのステップに分けて解説します。

1.現状把握

データ活用の第一歩は、自社のデータ環境の現状を把握することです。どの部門に、どのような形式でデータが保管されているのか、散在しているのか、品質にばらつきがあるのかなどを確認します。

また、データの扱いに必要なツールや基盤が整っているか、担当者のスキルレベルは十分かといった観点も重要です。

現状のギャップを明確にすることで、今後の施策の優先順位が決まり、適切なデータ整備やルール策定がスムーズに進みます。この段階を丁寧に行うことで、後の分析精度や意思決定の質が大きく向上します。

2.データの取得・管理

現状を把握したら、必要なデータを適切に収集し、管理する仕組みを整えます。営業データ、顧客データ、業務ログ、センサー情報など、DX推進に活用できるデータは多岐にわたります。

重要なのは、データを収集するだけでなく、フォーマットを統一し、セキュリティ・アクセス権限・更新ルールなどを明確化しておくことです。

また、データレイクやクラウド基盤を活用すると、部門間での共有や分析が容易になります。整備されたデータ基盤は、組織全体のデータ活用レベルを高め、次の分析フェーズの質を大きく左右します。

3.データの分析・活用

整備されたデータ基盤をもとに、分析を行い、業務改善や戦略策定に生かしていきます。単純な集計だけでなく、BIツールによる可視化、機械学習による予測分析など、目的に応じた分析手法を選択します。

重要なのは「何を改善したいのか」「どの指標を見るべきか」を明確にしたうえで分析することです。

また、結果を意思決定者や現場にわかりやすく共有し、アクションにつなげる仕組みを作ることが成果につながります。分析は一度で終わりではなく、改善サイクルを回すことで継続的な価値創出が可能になります。

4.データに基づく意思決定・実行

データ活用の最終ステップは、「データを根拠にした意思決定と実行」を組織全体で定着させることです。

分析で得られた示唆をもとに、改善施策や新しい戦略を立案し、実行し、結果を再びデータで検証するという循環を構築します。これにより、勘や経験だけに頼らない経営判断が可能となり、意思決定のスピードと精度が向上します。

また、この文化が根付くことで、DX推進の自走力が高まり、継続的な成長につながります。データを活かした経営は、企業にとって競争力の源泉となる重要な要素です。

DXにおけるデータ活用の効果

現状、日本企業の約半数がデータをビジネスに活用しているといった調査結果が報告されていますが、データ利活用の主な目的としては「バックオフィス業務の効率化」や「生産性向上」が挙げられています。

そのほかにデータ活用によって得られる効果やデータ利活用のメリットをいくつかご紹介します。

  1. 意思決定の根拠:
    データは事実に基づく情報の源です。DXにおいては、迅速で正確な意思決定が必要であり、データはこのプロセスの根拠となります。データに基づいた意思決定を行うことで、不確実性を減少させ、戦略的な方針を策定できます。


    それまで勘や経験に頼っていた会社もデータという根拠を基にビジネス戦略を立てるなど、意思決定のプロセスを変革することが可能となります。

  2. プロセスの最適化:
    データ活用によって、組織内のプロセスを改善し、効率性を高めることが可能です。データ分析によってボトルネックや無駄な作業を特定し、プロセスの最適化を行うことでコスト削減や生産性向上に繋がります。

  3. 顧客体験の向上:
    顧客データの収集と分析を通じて、顧客の嗜好やニーズを理解し、個別化された体験を提供できます。これにより、顧客満足度を向上させることができます。


    例えばNetflixは、単にユーザが何を視聴したか把握するだけではなく、視聴した時間帯やデバイス、視聴時間の長さなどあらゆるユーザデータを基にパーソナライズされたレコメンド機能を提供しています。
    参考:Netflixのレコメンド機能のご利用方法|Netflix公式ヘルプセンター

  4. 競争優位性の獲得:
    データ活用は競争の激しい市場で競争優位性を獲得するための要因となります。データを収集し、分析し、競合他社に先駆けて市場の動向に適応することができれば、組織は競争相手に差をつけることができます。

このように「データ活用」はDXにおいて不可欠であり、データを適切に収集、分析し、活用することによって、組織は競争力を維持し、成長を促進するための基盤を構築できます。

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データ活用によってDXに取り組んだ事例

ここでは当社が実際に携わったビジネスの現場におけるデータの活用事例をご紹介いたします。

①販売店舗レコメンド
用いたデータ:商品、店舗、販売実績データ
実施した内容:販売までの期間に関わる要因分析を実施、入庫から販売までのリードタイムが短い店舗をレコメンド
得られた効果:在庫回転率アップ、判断基準の均一化/属人性排除

②設備の故障予兆検知
用いたデータ:設備から取得できるセンサー等のデータ
実施した内容:機械学習を用いた故障予兆検知モデルの構築、顧客システムへの組み込み
得られた効果:各アルゴリズムから異常度を算出することで、故障が発生する前に予防的アプローチが取れるようになった

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データを活用するために必要なスキルとは

DXの進展によって、データを基にビジネス課題解決に繋がる糸口を見つけることができる人材、いわゆる「データ活用人材」の重要性が高まっています。

データ活用の専門家とされるデータサイエンティストには、「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」といった3つのスキルが求められると言われています。

しかし、これらすべてのスキルを兼ね備えた人材を確保・育成することは非常に難しいでしょう。

出典:データサイエンティスト協会「2019年度スキル定義委員会活動報告」

今後データ活用は様々なビジネス領域で、より強く求められていくことが予想されます。そのため、現場が実際に感じている課題とデータ活用を結び付けて考えることができる人材が重要となります。

このことからデータサイエンスはこれから全ビジネスパーソンに必須のスキルと考えられます。すでに中学や高校では「統計」や「データ分析」が基礎教育に取り入れられています。

つまり、データサイエンスの領域は一部の専門家のみが知っているものではなく、誰もが習得すべき知識として位置づけられ始めています。

データサイエンティストという人材については、以下の記事で詳しく紹介しています。
データサイエンティストとは?DX時代に求められるスキルと育成方法を解説

データサイエンス基礎研修のご紹介

データ活用人材の不足が課題となる中、当社は「シチズンデータサイエンティスト」の育成を目指すことをお勧めしています。

シチズンデータサイエンティストは以下のような人材です。

  • ドメイン知識を最大限に活用しデータ活用を推進する(事業部門など)
  • データサイエンティストほど分析に関する専門知識やスキルを必要としない
  • ツールを用いることで、データサイエンティストと同様の業務実施可

当社では、シチズンデータサイエンティストの育成にも役立つ「データサイエンス基礎研修」を提供しています。

本研修はこのような方にオススメです。

  • データ分析の基礎から実践までを一から学びたい方
  • AI・データ分析を学びたいが、何から学習を始めればよいか分からない方
  • データ活用に求められる知識や手順を短期間で体系的に学びたい方

詳細につきましては以下の資料をぜひご覧ください。

まとめ

DXは単なるデータ活用ではなく、デジタルを軸に企業の価値や事業モデルを変革する取り組みです。

その中でデータ活用は、意思決定の精度向上や競争力強化に欠かせない基盤となります。本記事では、データ活用の重要性や具体的なステップ、必要なスキルまで解説しました。

自社でDXを推進する際は、段階的なデータ活用と人材育成を組み合わせることで、より実践的で効果的なDXを実現できます。

森田 晋之介
森田 晋之介
株式会社リンプレス セールス&マーケティング事業部  株式会社リンクレアに営業職として入社。リンプレス入社後はインサイドセールスやマーケティングを担当し、現在は主にマーケティングを担当。

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