
プロジェクトリーダーに求められる2つの能力とは?
プロジェクトリーダーに求められる基本的な能力『プロジェクト管理力』の強化には、PMBOK®や CMMI などに代表されるプロジェクトマネジメント技法の習得が効果的です。
しかし、ITプロジェクトは規模・期間・予算・プロジェクトメンバ等が毎回異なるため、管理技法を活用しても必ずしもプロジェクトはうまくいくとは限りません。
今回は、プロジェクトリーダーとして求められる能力の違いをご紹介します。
”能力”の違いを理解する
能力という言葉には「物事を成し遂げることのできる力」という意味があります。
ITプロジェクトで言えば「プログラミングができる」や「見積もりができる」というようなスキルが個人の能力です。
しかし、実際のITプロジェクトの現場では「知っている」、「使える」、「できる」といった能力以外に別の能力も求められます。
求められる能力=「知っている、使える、できる」+「???」
アビリティ(Ability)とは
他の人とは関係なく、自分ひとりで発揮可能な能力を指します。
例えば「速く走ることができる」 、「プログラミングができる」、「業務内容に精通している」 というような、持って生まれた、あるいは経験により積み上げた「××ができる」という個人が保有する保有能力です。
ITプロジェクトに関するものでは「PMBOK」や「CMMI」などの知識があることもアビリティを保有しているといえます。
コンピテンス(Competence)とは
アビリティが自分ひとりで発揮可能な能力であることに対し、コンピテンスは社会や組織といったグループの一員として、周りの人とコミュニケートする際に発揮される能力であり、コミュニケーション能力、リーダシップ、協調性、積極性等の能力を指します。
ビジネスの現場にあって、人に迷惑をかけずに、人に影響を与えて協働していくには、状況を読み取る感受性や、対人感受性を持ち合わせていることが求められます。
例えば、10人のプロジェクト活動にアビリティが高い人がいたとしても、この能力が欠如しているとプロジェクトの生産性が上がらないどころかマイナスに作用することも考えられます。
2つの能力の学習アプローチ
アビリティとコンピテンスを鍛えるには、学習のアプローチが大きくことなります。
潜在的な個人差はあるものの、アビリティは、勉強、あるいは練習を重ねることにより、習得可能な能力と言われています。
例えば、練習を重ねて補助輪なしの自転車に乗れるようになった。これは練習の積み重ねで習得したアビリティのひとつです。
これに対し、コンピテンスは、書籍等から学んでも身につくものではありません。
HowTo本やビジネス書から、こういうときにはこうするという事は学べても、実際にそれが相応しい行動、言動なのかは実際に実行してみなければわかりません。
コンピテンスを身につけるには、まず実行することから始めるしかありません。
自分の行動、言動がその場に相応しいものだったかを、その時の相手の反応を捉え、相応しいものであったか考えるということを繰り返し、体験を通して鍛え上げていく(成長していく)しかないのです。
まとめ
プロジェクトリーダーとして自社のITプロジェクトの成功に必要なアビリティを身につけることも非常に大切ですが、併せて実践の場に身をおき、積極的な行動でコンピテンスを鍛え、求められる能力向上に努めていきましょう。
リンプレスでは、今後プロジェクトリーダーを担う方に向けて、アビリティとコンピテンスを強化するプロジェクトリーダー基礎研修を提供しています。ぜひご検討ください。