
超上流工程と上流工程の違いは?システム開発で重要なポジションを育成するには
システム開発やDX推進の重要性が高まる中で、「超上流工程」と「上流工程」の違いを正しく理解し、それぞれを担える人材を育成することが企業の競争力を左右する時代になっています。
しかし実際には、役割の違いが曖昧なままプロジェクトが進み、手戻りや方向性のズレが発生してしまうケースも少なくありません。
本記事では、超上流工程と上流工程の違いを整理したうえで、それぞれに求められる役割や人材像、効果的な育成方法について詳しく解説します。
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超上流工程と上流工程の違いとは?
システム開発における「超上流工程」と「上流工程」は混同されがちですが、担う役割や責任範囲は大きく異なります。
超上流工程は、システム開発に着手する前段階で「そもそも何のためにITを導入するのか」「事業として何を実現したいのか」といった経営・事業視点での意思決定を行う工程です。一方、上流工程は、その方針を受けて要求分析や要件定義を行い、システムとして実現可能な形に落とし込む工程を指します。
超上流工程が方向性を定め、上流工程が具体化する関係にあり、どちらが欠けてもプロジェクト成功は難しくなります。
それぞれの定義の違いについて、以下から詳しく見ていきましょう。
超上流工程の定義
超上流工程とは、システム開発に入る前の構想・企画フェーズを指し、ITを「経営や事業戦略の手段」としてどう活用するかを検討する工程です。
具体的には、
事業課題の整理
業務改革の方向性検討
投資対効果の判断
システム化の是非決定
などが含まれます。
この段階では、必ずしもITの詳細な知識よりも、ビジネス理解や企画力、経営視点での判断力が求められます。超上流工程での意思決定が曖昧なまま進むと、後工程で要件がぶれやすくなり、開発コスト増やプロジェクト失敗につながるリスクが高まります。
上流工程の定義
上流工程とは、超上流工程で定められた方針や構想をもとに、システムとして実現するための具体的な要件を整理・定義する工程です。
主に要求分析や要件定義が中心となり、「何を・どこまで・どのように実装するか」を明確にします。業務内容を正しく理解したうえで、機能要件・非機能要件に落とし込むことが求められるため、業務知識とIT知識の両方が必要です。上流工程の精度が低いと、開発途中での手戻りや認識齟齬が発生しやすく、プロジェクト全体の品質やコストに大きな影響を与えます。
上流工程については、以下の記事で詳しく紹介しています。
システム開発における上流工程とは?下流工程との違いやITプロジェクト全体の流れを紹介
超上流工程が担当する役割
超上流工程では、システム開発そのものではなく、「事業や組織をどう変えるか」という視点からIT活用を検討します。ここでの判断が、その後の上流工程・下流工程すべての前提条件となるため、非常に重要なポジションです。IT導入を目的化せず、経営課題や業務課題の解決につながる構想を描くことが求められます。
以下では、超上流工程が具体的に担う代表的な役割を紹介します。
事業戦略・経営課題からIT活用の方向性を導く
超上流工程では、まず企業が抱える事業戦略や経営課題を整理し、それらを解決する手段としてITをどう活用するかを検討します。
単なるシステム刷新ではなく、競争力強化や業務改革といった経営視点での目的設定が重要です。この段階で方向性が定まっていないと、後工程で要件が迷走しやすくなります。
業務プロセスの可視化・改善案の策定
現状の業務プロセスを可視化し、非効率な部分や属人化している業務を洗い出すことも、超上流工程の重要な役割です。
業務フローを整理したうえで、ITを活用した改善案を検討することで、単なるデジタル化にとどまらない業務改革につなげることができます。
デジタル化・DXの構想立案
超上流工程では、部分最適ではなく全体最適を意識したデジタル化・DXの構想を描きます。どの業務からデジタル化すべきか、将来的にどのような業務モデルを目指すのかといった中長期視点での設計が求められます。
場当たり的なシステム導入を防ぐための重要な工程です。
プロジェクトの目的・スコープ・費用対効果の明確化
プロジェクトの目的や範囲、期待される効果を明確にすることも超上流工程の役割です。
あらかじめスコープや費用対効果を整理しておくことで、途中での要件追加や予算超過といったリスクを抑えやすくなります。経営判断を支えるための材料を整える工程ともいえます。
超上流工程にとって重要な「スコープ」については、以下の記事で解説しています。
プロジェクトスコープとは?マネジメントの要となるポイントを解説[1]
「104.プロジェクト スコープ (とは)」アップ次第リンク追加
経営層・現場部門との合意形成
超上流工程では、経営層と現場部門の双方を巻き込みながら合意形成を進める必要があります。
経営視点と現場視点のズレを調整し、共通認識を持ったうえでプロジェクトをスタートさせることが重要です。この合意形成が不十分だと、後工程での対立や方針変更につながりやすくなります。
上流工程が担当する役割
上流工程は、超上流工程で定められた構想や方針をもとに、システムとして実現するための具体的な設計を行う工程です。
主な役割は「何をどう作るか」を明確にし、開発フェーズへスムーズにつなげることにあります。要求を機能要件・非機能要件へ整理し、業務とシステムの橋渡しを担うため、業務理解力とIT知識の両立が求められます。
上流工程が担当する役割について、以下から詳しく解説します。
要件定義
要件定義では、業務上必要な機能を「機能要件」として整理すると同時に、性能・セキュリティ・運用性などの「非機能要件」を明確にします。
どちらか一方が欠けると、使いにくいシステムや運用負荷の高いシステムになりやすいため、バランスが重要です。関係者の認識を揃えながら、具体的かつ曖昧さのない定義を行うことが求められます。
要件定義については、以下の記事で詳しく紹介しています。
要件定義とは?押さえるべき3つのポイントも解説【要件定義の終了判定サンプル有】
システムの基本設計
基本設計では、要件定義で整理した内容をもとに、システム全体の構成や機能配置を設計します。
画面構成やデータの流れ、他システムとの連携方法などを明確にし、開発担当者が実装しやすい形に落とし込むことが目的です。この段階で設計が不十分だと、後工程での手戻りが発生しやすくなります。
業務フローの整理とシステム仕様への落とし込み
業務フローを整理し、現場の業務がどのようにシステム上で実行されるかを定義することも上流工程の重要な役割です。
業務の流れとシステム仕様が一致していないと、現場で使われないシステムになりかねません。業務理解を深めたうえで、実態に即した仕様設計を行うことが求められます。
ベンダーとの調整・仕様確定
上流工程では、開発を担当するベンダーとの調整も重要な役割の一つです。
要件や設計内容を正確に伝え、認識のズレを防ぎながら仕様を確定させていきます。技術的な制約やコスト面を考慮しつつ、目的に合った仕様を選択する判断力が求められます。
プロジェクト計画の具体化
プロジェクト計画の具体化では、スケジュールや体制、進行方法を明確にします。要件や設計内容を踏まえ、現実的な計画を立てることで、開発フェーズでの遅延やトラブルを防ぎやすくなります。上流工程での計画精度が、プロジェクト全体の安定性を支えます。
上流工程の役割についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
上流工程とは?下流工程との違いやITプロジェクト全体の流れを紹介
超上流工程と上流工程はどう連携すべきか
超上流工程と上流工程は、役割が異なるものの、分断されてはいけない工程です。
超上流工程で描いた事業戦略やIT活用の方向性が、上流工程で具体的な要件や設計に正しく反映されてはじめて、DXやシステム投資は成果につながります。そのため、両工程は「引き継ぎ」ではなく「連携」を前提に進めることが重要です。
構想段階から上流工程の視点を取り入れ、上流工程側も背景となる経営課題を理解したうえで設計を行うことで、手戻りや認識ズレを防ぎやすくなります。
超上流工程が重要視される理由
近年、超上流工程が重要視されている背景には、システム開発そのものよりも「何のために作るのか」が問われるようになった点があります。
技術ありきで進めたシステム開発は、業務に定着せず、投資対効果が得られないケースも少なくありません。超上流工程では、経営課題や事業戦略を起点にIT活用の方向性を定めるため、開発の目的が明確になります。
その結果、上流工程以降の判断軸がぶれにくくなり、全体最適のシステム構築につながりやすくなります。
超上流工程にふさわしい人材を確保するには
超上流工程にふさわしい人材を確保するためには、単なるITスキルだけでなく、経営視点・業務理解・調整力を兼ね備えた人材を育てることが重要です。しかし、こうした人材を中途採用で確保するのは難易度が高く、競争も激化しています。
そのため、多くの企業では既存社員を対象に計画的な育成を進める方法が現実的な選択肢となっています。特に、構想力や企画力といった上流スキルは実務経験と学習を組み合わせることで伸ばしやすく、育成環境の整備が成否を分けるポイントになります。
リンプレスのIT企画研修では、課題設定からアウトプット作成まで体系的に学べるため、上流工程に強い人材を短期間で育成できます。
外部研修サービスで超上流工程人材を育成するメリット
超上流工程人材の育成では、社内教育だけで完結させるのが難しいケースも少なくありません。外部研修サービスを活用することで、専門的かつ体系的な知識を効率よく学べる環境を整えやすくなります。
特にDXやIT企画領域は変化が早いため、最新動向を踏まえた学習が不可欠です。外部の知見を取り入れながら育成を進めることで、属人化を防ぎ、組織全体のレベルアップにつなげやすくなります。
ここでは、外部研修サービスを活用して超上流工程人材を育てるメリットを解説します。
社内では獲得しにくい専門ノウハウを短期間で習得できる
超上流工程に必要なスキルは、業務経験だけでは身につきにくいものも多く存在します。
外部研修では、IT企画やDX構想に特化したノウハウを集中的に学べるため、独学やOJTと比べて習得スピードが早い点が特長です。断片的な知識ではなく、全体像を体系的に理解できるため、実務への応用もしやすくなります。
DXに精通した外部コンサルタントの視点を取り入れられる
外部研修の大きな強みは、DX支援の実績を持つ講師やコンサルタントの視点を直接学べる点です。
自社内だけでは気づきにくい課題や改善視点を知ることで、思考の幅が広がります。特に超上流工程では、業界を横断した知見や成功・失敗事例が重要な判断材料となるため、第三者の視点は大きな価値を持ちます。
体系的に学べるため育成スピードが早い
外部研修サービスでは、超上流工程に必要な知識や考え方を体系立てて学べるカリキュラムが用意されています。
段階的に理解を深められるため、学習の抜け漏れが起こりにくく、効率的な育成が可能です。結果として、短期間で一定レベルのスキルを身につけやすくなります。
自社課題に合わせた研修カスタマイズが可能
多くの外部研修サービスでは、自社の業種や課題に合わせた内容にカスタマイズすることが可能です。実際の業務やプロジェクトを題材にすることで、学んだ内容をそのまま現場に活かしやすくなります。
一般論に終わらず、自社に即した学びを得られる点は大きなメリットです。
属人化を防ぎ、組織全体のスキル底上げにつながる
特定の担当者だけが超上流工程を担う状態は、属人化のリスクを高めます。
外部研修を活用して複数人を計画的に育成することで、知識やノウハウを組織内に蓄積しやすくなります。その結果、チームとしての対応力が高まり、持続的に超上流工程を担える体制づくりにつながります。
上流工程・超上流工程の育成なら「リンプレス」
上流工程・超上流工程の人材育成では、ITスキルだけでなく、企画力や構想力、経営視点を踏まえた意思決定力が求められます。しかし、これらを社内だけで体系的に育成するのは難しく、属人化や育成の停滞につながりがちです。
リンプレスでは、システム開発やDX推進の現場を熟知した専門家が監修した研修を通じて、上流から超上流までを担える人材の育成を支援しています。実務に直結する内容を重視しているため、学んだ知識をそのまま現場で活かしやすい点も特長です。
DX研修を実際に行った企業の事例を知りたい方は「導入事例:第一三共株式会社様」「導入事例:株式会社八十二銀行様」「導入事例:株式会社ワークマン様」こちらのページをご覧ください。
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まとめ
超上流工程と上流工程は、どちらもシステム開発やDX推進に欠かせない重要なポジションですが、担う役割や求められるスキルは大きく異なります。超上流工程では、事業戦略や経営課題を踏まえた構想力や合意形成力が重視され、上流工程では、その構想を具体的な要件や設計へ落とし込む実行力が求められます。これらの人材を確保・育成するには、社内育成だけでなく、外部研修サービスを活用し、体系的かつ実践的に学ぶことが効果的です。中でも、上流から超上流までを一貫して学べるリンプレスの「IT・システム企画研修」を活用することで、組織全体の開発力・企画力の底上げにつながります。
<文/文園 香織>











