株式会社池田泉州ホールディングス
https://www.senshuikeda-hd.co.jp/
事業内容:銀行、その他銀行法により子会社とすることができる会社の経営管理及びこれに付帯関連する一切の事業
概要:経営戦略に掲げる「DXによる生産性向上」の実現に向け、デジタル人材の単なる認定数拡大から、DXを推進・主導できる「現場主導型の変革リーダー」の育成へと舵を切り、組織全体のDX実装力を飛躍的に高めた取り組みです。

Overview
池田泉州銀行を中核とする池田泉州ホールディングスは、大阪府をはじめ関西圏に強固な地盤を持つ地域金融機関グループです。
2026年3月には、自分たち“らしさ”を改めて見つめ直し、“未来に掲げる志”として「とことん向き合い、ぐつぐつ追い求め、あしたをまっさきに切り拓(ひら)く ~もっとおもしろく、もっといきいきと~ 」という新たなパーパスを制定。あわせて、10年後目指す姿をイメージした長期経営戦略を策定しました。さらに、2026~2028年度を計画期間とする第6次中期経営計画では、多様な金融サービスの提供、地域企業の持続的成長支援、ソリューション営業の高度化、デジタル活用による生産性向上などに取り組んでいます。
同グループにおけるデジタル戦略部は2024年6月に新設され、前中期経営計画(第5次中期経営計画Plus)におけるデジタル戦略(DX・IT戦略)を推進してきました。マーケティング高度化、営業力向上、職員・組織の生産性向上といったテーマに取り組む一方で、それらを現場で実行・推進する「デジタル人材」の育成にも注力してきました。リテラシー向上を目的とした研修や、ITパスポート等の資格取得支援を進める中で、新たに課題として見えてきたのが、「デジタル人材」として認定した後の継続的な育成とフォローアップです。
この課題を解決するため、池田泉州ホールディングスは2025年度よりリンプレスの「DX実践力強化研修(デジタル推進のための基礎研修+IT・システム企画研修)」を導入しました。
今回は、同グループのデジタル人材育成を牽引し、本研修の企画・導入を担ったデジタル戦略部の赤間様に、プログラム導入の背景や狙い、受講後の変化、今後の展望について伺いました。
※本件に関するお問い合わせはこちらからお願いします。池田泉州ホールディングス様へ直接のご連絡やお問い合わせはご遠慮ください。
-2024年6月に新設された「デジタル戦略部」の役割やミッション、そして赤間様の担当業務について教えてください。
赤間様:当社グループにはデジタル・ITを担う部門が大きく2つあります。IT・デジタル基盤の整備を担う「事務システム部」と、主にDX・デジタル活用推進を担う「デジタル戦略部」です。
当社グループの長期経営戦略では、マテリアリティの1つとして「DXによる生産性向上とサービス高度化」が明示されています。また、「第6次中期経営計画」においても、経営基盤強化戦略の1つに「デジタル戦略の推進・生産性向上」が位置付けられています。デジタル戦略部は、まさに当社グループの「あしたをまっさきに切り拓く」変革を牽引する中核的な役割を担っています。
具体的な取り組みは、主に次の3つです。
私は、デジタル戦略部が発足した2024年に、システム会社からキャリア採用で入行しました。現在は前職の実務経験を活かし、当社グループ内のデジタルリテラシー向上、デジタル人材育成、そしてキャリア採用によるデジタル人材の獲得を担当しています。これらの取り組みは人事部とも緊密に連携しており、経営戦略の柱である「人的資本への投資」を現場レベルで具体化する役割を担っていると考えています。
-デジタル戦略部のメンバーはどのくらい在籍されているのでしょうか?
赤間様:専任メンバー14名に加え、他部門との兼務メンバーが数名在籍しています。さらに当社グループにおける特徴的な取り組みとして、「社内複業制度」を導入しています。これは、他部門や営業店に所属する職員が、自部店とは異なる組織の業務に携わる制度で、現在デジタル戦略部には2名が参加しています。
現在は、生成AI活用・推進に関する取り組みを一緒に進めており、「営業店の現場が抱える課題を、生成AIでどう解決するか」をテーマに、新たなユースケースの実装と現場展開、AIエージェントの研究に取り組んでいます。過去には生成AIだけではなく、Salesforceの導入・活用の定着化に向けた企画・推進などにも取り組んだメンバーもいます。まさに現場と企画・戦略部門を繋ぐ仕組みとして機能しており、現場の意見を施策に反映しやすくなるだけでなく、デジタルに関する知見を各現場に持ち帰ってもらうことで、組織全体のデジタル浸透にもつながっていると感じています。

株式会社池田泉州ホールディングス
デジタル戦略部
次長
赤間 裕 様
-2025年の上期頃にご相談をいただきましたが、当時どのような課題を感じていらっしゃったのか、また今回の研修実施に至った背景を教えてください。
赤間様:当時は前中期経営計画(第5次中期経営計画Plus)におけるデジタル戦略に基づき、当社グループ内のデジタル活用推進を進めていました。その中で、2025年度末までに計360名のデジタル人材を育成する目標を掲げていました。
2025年上期の時点では、キャリア採用を中心とした専門性の高い「デジタルコア人材」の獲得と、行内職員を対象とした「デジタルベース人材」の育成・底上げの両面から施策を進めていました。一方で、「デジタル人材として認定した後には、どのように成長を後押ししていくのか・・・?」という点に課題を感じていました。認定して終わりではなく、その後も継続的にフォローアップしていく仕組みが必要だと考えていたのです。
当時、課題は大きく2つありました。
課題①:認定後の成長を支える施策が必要だった
2025年度開始時点で、当社グループでは計160名(コア人材:111名、ベース人材:49名)をデジタル人材として認定していました。デジタル人材認定者は、システム部門や各事業部門でシステム企画・導入案件に携わり、実務を通じて知見を広げてきた貴重な人材です。しかし、認定しただけで育成が止まってしまっては十分ではありません。デジタル戦略をともに推進し、現場でデジタル活用をリードしていく人材として活躍してもらうためには、さらにスキルを磨き、「銀行員としての当たり前」から一歩踏み出すための継続的な学びの機会が不可欠だと考えていました。
課題②:IT・デジタルへの苦手意識をどう乗り越えるか
システム部門や各事業部門でシステム企画や導入案件に関わっているメンバーの多くは、デジタル人材として認定されてはいるものの、IT・システム企画の基礎や進め方を体系的に学んできたわけではありません。実務の中で必要に迫られ、いわば自己流で対応している面もありました。 また、当社グループのような地方銀行を中心とした金融機関では、職員の8〜9割が文系学部出身です。入社後は金融に関する研修機会が豊富にある一方で、IT・デジタル分野の研修機会は限られていました。こうした背景から、世代を問わず「ITやデジタルは難しい」という意識が根強く、若手であっても苦手意識を持つケースが少なくありませんでした。
そのため、本当に現場の生産性向上につなげていくには、単に認定者数を増やすだけではなく、IT・デジタルへの苦手意識を払拭するマインド形成と、IT・システム企画を基礎から体系的に学べる場の両方が必要でした。そこで、御社へ「DX実践力強化研修」の実施をご相談させていただいたのです。
-今回の集合研修は全社一斉ではなく、選抜者を対象とした形で実施されましたが、その狙いについて教えてください。
赤間様:当社グループでは、2024年度から段階的にIT・デジタルに関する研修を企画・実施してきましたが、まだ十分に実績があるとはいえない状況でした。その中で、集合研修をいきなり大規模に全社展開し、もし現場のニーズに合わなかった場合、研修そのものに対してネガティブな印象が残ってしまうことは絶対に避けたいと考えていました。
集合研修は、受講者にとっても一定の時間的負荷があります。
そのため、まずは小規模で実施し、内容や進め方を見極めながら改善していく方が望ましいと判断しました。一方、動画研修であれば受講時間を各自で調整しやすく、受講期間の幅を持たせることで、より柔軟に学んでもらえると考えました。
そこで今回は、動画研修(デジタル推進のための基礎研修)はデジタル人材認定者全員(計160名)を対象に実施し、集合研修(IT・システム企画研修)は計20名を対象にスモールスタートで行う、という二段構えにしました。まずは小さく始め、良い点・改善点を丁寧に拾いながら次につなげていく方針です。
-今回の「DX実践力強化研修」において、リンプレスの提案を採用いただいた理由や、他社との違いについて教えてください。
赤間様:一番の決め手は、当社が提示したRFP(提案依頼書)の要件に対して、非常に正確にご提案いただけたことです。研修会社側の標準的なプログラムに当てはめるのではなく、当社が「ここは必ず盛り込みたい」と考えていた要件を、ほぼ100%汲み取って、提案内容に反映いただいていました。
また、動画研修と集合研修の設計バランスが非常によかった点も印象に残っています。動画研修では、デジタル活用推進の基礎となるマインド・スタンスやコミュニケーションの本質といった共通言語の習得に重点を置き、集合研修ではIT・システム企画の実践にテーマを絞って1日に凝縮していただきました。この切り分けが非常に明快でした。
加えて、当社グループでは、過去に「デザイン思考研修」で御社にお世話になっていました。初めての取り組みで手探りの状態があっても、伴走しながら一緒に形にしてくれるだろうという安心感がありました。最終的に、新たなチャレンジをお願いして本当に良かったと感じています。
-実際に研修を実施してみて、受講者の反応や導入効果はいかがでしたか?
赤間様:集合研修実施後のアンケートの結果を見たとき、非常に手応えを感じました。満足度・理解度ともに、これまで実施してきた研修の中でも高い水準でした。
受講者からは、
「システム開発において、現場・システム部門・ベンダーの『三者共創』が重要であることが分かった」
「ITシステム企画に限らず、他の業務にも通じる本質的な考え方だと感じた」
といった前向きな声が多く寄せられました。
特に印象的だったのが、研修時間に対する受講者の受け止め方です。一般的に、終日研修では「長い」と感じる受講者が一定数出やすいのですが、今回は時間に関する評価が平均2.95(5段階評価)となり、「短く感じた」「もっと聞きたかった」という声が多く見られました。終日研修でこのような反応を得られたことからも、受講者が内容に集中し、没頭して学べるプログラムだったと受け止めています。
※社内で共有された研修の振り返り資料(一部抜粋・要約)

-最後に、今後のデジタル人材育成の展望や、継続して実施いただく今期の研修への期待をお聞かせください。
赤間様:昨年度の取り組みが高く評価されたことを受け、今期も集合研修(IT・システム企画研修)を継続実施することにしました。昨年度はスモールスタートとして、既にデジタル人材として認定されているメンバーを対象にしましたが、今期からは認定者に限らず、これからデジタル人材として育成・認定していきたい層へと対象を広げていきます。「認定されているから受講する」のではなく、「デジタル人材と活躍するために必要な要素を学ぶことで、その後の認定や活躍につなげる」という流れをつくりたいと考えています。
その一方で、これから育成していく層に対して、昨年度と同じ内容をそのまま適用するのは難しいとも感じました。そのため、御社ともご相談の上、新たに「基礎編」を設け、「基礎編+実践編(テーマ:IT・システム企画)」の2ステップで学べるよう、カリキュラムをアップデートしていただきました。受講者のレベルに応じた、きめ細やかな研修を期待しています。
さらに、昨年度の受講者に対しては、次のステップとして、より実践的な「RFP(提案依頼書)作成編」の実施も計画しています。これは前回のアンケートで寄せられた「もっと話を聞きたかった」という声を踏まえたものです。我々のような非IT企業においても、現場からシステム企画を立ち上げる場面は今後さらに増えていくはずです。その際には、自分たちで必要な要件を整理し、資料に落とし込み、ベンダーと適切にコミュニケーションを取りながらシステム化を進めていく力が求められます。そうした実践力を、この研修を通して職員一人ひとりの力として定着させ、DXによる生産性向上とサービスの高度化に貢献していきたいと考えています。
今期も引き続き、強力なサポートをよろしくお願いいたします。
-ありがとうございました。今後の取り組みの進展を期待しています。
※本文中の情報は、池田泉州ホールディングス IR資料『池田泉州ホールディングス 経営戦略について』(2025年12月発表)における「人的資本への投資」「DXによる生産性の向上とサービスの高度化」、および「長期経営戦略 第6次中期経営計画 詳細版(2026年5月15日公表)」の方針を一部引用しております。
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